子供がなかなかひらがなを覚えない。

音読(本読み)が異常に下手。

漢字の覚えも悪い。

読み書きに障害があるんじゃないか?

そう不安になられる親御さん、意外と多いかもしれません。

実は日本において、「読み書き障害」は、

日本人の7~8%が該当し、40人のクラスならば3人程度はいる

出典:日経ビジネスより

といわれています。

人数だけを見ると、すごく身近な障害のように感じますが、実際に診断までついている人は少ない現状です。

私自身、我が子に「もしかして読み書き障害じゃない?」と疑いを持つまで、こういう障害があるなんて気にもしていませんでした。

なかなか覚えないひらがなに苦戦した日々、何て言っているのか分からない音読を聞きながら、「何だかおかしくない?」と調べて辿り着いたのが「読み書き障害」という言葉。

ですが、この障害名を知ったところでどこに相談していいのか、どうやって診断がつくのか、全く分からないことだらけでした。

今回は、読み書き障害について

  • どういうものか
  • 原因
  • 相談場所
  • 診断までの流れ

を、経験談を踏まえながら、お話ししたいと思います。


読み書き障害とは?

学習障害の一種で発達の遅れはないものの、読み・書きに限定した困難があり、それによって

  • テストで点が取れなかい
  • 授業についていけない

などという、学習の遅れが見られるものを「読み書き障害/dyslexia(ディスレクシア)」といいます。

Screenshot
読み・書き、それぞれに分けて説明しますね。

読み障害

  • なかなか文字を覚えない(幼児期)
  • 逐次読み
  • 単語や文節に区切って読めない
  • 読んでいるところが分からなくなる
  • 文末などを適当に変えて読んでしまう
  • 音読よりも黙読ができない
  • 行間が狭かったり、文字が小さいと、余計読めない
  • 読むのが疲れる

といった症状があります。

書字障害

  • 特殊音節の誤りが多い(促音・撥音・二重母音)
  • 「わ」・「は」、「お」・「を」などの違いが分からない
  • 似ている文字を間違えやすい「め」・「ぬ」、「ね」・「わ」、「ン」・「ソ」など
  • 接続詞の使い方「て」「に」「を」「は」、文法の間違いが多い
  • 文字のバランスが悪い

など、聞いて書くことが苦手だったり、板書が苦手だったりもします。

読み書き障害の原因は?

知的能力や、勉強不足が原因ではありません。

つまり、怠けていたり、本人が悪いわけではないということです。

原因としては、

  • 脳活動の異常(大脳基底核や、左前上側頭回などの部位の機能障害や偏り)
  • 音韻処理の問題
  • 聴覚の問題

が関係するとはいわれていますが、医学的な検査を行っても分からないほどの小さな困難の積み重ねや相互作用があり、ハッキリとした原因を突き止めるのは難しいといわれています。

ただ、遺伝や環境など複合的な要素に起因する可能性も指摘されています。

うちの子の場合ですが・・・

元々形を捉えるのが下手という特性があったものを、低学年の頃に担任からしてはいけない指導(細かい文字のハネやハライまでを指摘され、できなければ立たされたり、叩かれるという)をされたことで、余計拍車がかかってしまったという診断がつきました。

 

読み書き障害を疑っている場合の相談場所は?

以下のような相談場所があります。
  • 担任
  • 主幹教諭や教頭
  • 発達支援センター・子ども家庭支援センター・障害学生支援センターなど

学習に関する問題は、小学校に入学して出てくることがほとんどです。

まずは、学校での様子を聞くためにも、担任の先生に相談しましょう。

その上で、学校とつながりのある発達に関連する支援センターを教えてもらうのが一番です。

ただ、学校から連絡をとってもらうというのではなく、ほとんどは親が自ら電話をして予約を入れるというシステムになっています。

読み書き障害の診断までの流れは?

色々な流れはあると思いますが、うちの子が実際に行ってきた検査や、診断がつくまでの流れを紹介します。
  1. 担任に相談
  2. 発達支援センターへ電話・予約
  3. 発達支援センターで聞き取り後、WISC検査(センターから、学校への聞き取りもあり)
  4. WISC検査の結果報告(センターで報告後、学校へはセンターから連絡が入る)
  5. 学校で話し合い(担任・主幹教諭または教頭・支援学級の先生)
  6. 教育大の発達支援教室に電話・予約
  7. 教育大にて、聞き取り・簡単な発達検査・先生の見立てを伺う
  8. 相談員さんの紹介(我が家の場合、教頭先生が民間の相談員さんを紹介してくれました)
  9. 相談員さんと契約書を交わす(全て無料です)
  10. 診断をつけてくれる医師を探す
  11. 医師による診断名を出してもらう
  12. 市に申請
  13. 放課後デイを受けられるよう手続き
  14. 療育センターへ電話・予約
  15. 療育センターの眼科で検査(目の見え方の問題を除外するため)
  16. 療育センターで眼科の診断後、小児科への紹介
  17. 療育センター小児科にて診察
  18. 療育センターにて検査(作業療法士・理学療法士による検査)
  19. 療育センター小児科にて会議が行われる
  20. 療育センター小児科で診断
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書き出すと、結構な工程を挟みますが、要は学校・発達支援センター・大学・相談員・医師・療育センターとの関わりがありました。

まずは、発達的な問題はないか、WISC検査は必須です。

WISC検査とは?
5歳から16歳11ヶ月までの児童を対象とした知能検査。

 

 

知能検査をした上で、次に、見え方の問題を除外する必要があります。

学習障害の診断自体は、かかりつけ小児科やお願いしやすい医師に、診断名だけつけてほしいと相談し、聞き取りだけで医師の診断を出してもらうことは可能です。
(ですが、専門的な診断は、検査を行なっている専門機関でしかできません。)

うちの場合、発達支援センターに月一来られる小児科医師にまずは診断書を出してもらいました。
(多分、学習障害があてはまるねという感じで、診断書を出してくださった感じです。)

医師の診断があれば、市に申請し、放課後デイ等のサービスを受けることができます。

ですが、どうしても詳しいことが知りたかった私。
本当に学習障害・読み書き障害があるのか?
実際に、どういう教育・指導・勉強法がこの子にはあるのか、そこが知りたかったため、療育センターを受診しました。

ここでは、眼科での異常を除外した上で、小児科での詳しい検査を行います。

理学療法士、作業療法士、それぞれ1時間〜2時間ずつの検査を2・3回、日にちを分けて行いました。

さらに、疑問点(ここができてるけど、ここはできないなど)を掘り下げる検査をし、最終的に全ての検査結果を踏まえ医師が診断書を作成した上で口頭で説明をしてくれます。
そして、2週間後に郵送で診断結果が送られてきます。

それを持って、学校・放課後デイ・相談員さんとそれぞれ話し合いをし、対応(配慮・指導)を決めることになりました。

最後に

いかがでしたでしょうか?

ここまで徹底的に調べるのも珍しいそうです。

ですが、ここまで細かい診断結果が出ると、どういう指導をしていったらいいのか、どういう配慮がこの子に必要なのかというのも見えてきます。

私は、この結果を踏まえ、文字というよりも形の捉え方がおかしい。
ワーキングメモリの低さにも問題があると分かったので、大学の先生が行われているワーキングメモリの講座も受講しています。

子供と一緒に学んで、少しでも子供が楽になるように応援したい。

また、読み書き障害の勉強法なども、次回発信して参ります。

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