子どもの人見知りが激しかったり、恥ずかしがり屋だったとしても、大人になればそのうちよくなるだろうと、たいていの人は思いますね。
人見知りであれば何も問題ないのですが、これとよく似た症状で治療を必要とする病気が実はあるのです。場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)と言うのですが、実際はあまりよく知られていません。
そこで今回は、この場面緘黙症の症状や原因などを詳しくご説明しますので、子どものサインを見逃さないようにしてあげてください。
場面緘黙症とは?症状や特徴は?
場面緘黙症とは、ある特定の場面だけ、全く話せなくなってしまう症状のことを言います。
家ではよくお話するのに、幼稚園や学校など社会的な状況に立ったときに、声を発することができない状態のことを指します。
- 特定の場面だけ話せなく(声が出なく)なってしまう
- 普段は問題がない
- 話さなければいけない状況になると時間がかかったり、小さな声しか出なくなる
- 2歳~5歳の間に発症することが多い
- 女の子の方が多い
- なかなか判断が難しい
- 心の病気
この症状は、言葉を話したり理解する能力は正常なのですが、「言わなければいけない状況」で、「言わなくてはいけない言葉」が出てこなかったり、小声で話すことが多かったり、質問に対する答えが出るまでに時間がかかったりするのも特徴のひとつです。
2歳~5歳の間に発症するのが多く、男の子より女の子の方が発症率は1.5~2倍高いとされています。アメリカの資料によれば、1000人に7人が発症すると言われていますが、日本での詳細はわかっていません。
大人しいとか、引っ込み思案など性格的原因と区別することが難しいので、実際は6歳~8歳くらいにならないと正確な診断は下せないようです。
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場面緘黙症の原因として考えられることは?
他に考えられる原因としては、
- 両親の母語がちがう子ども
- 母語と異なる外国に住む子ども
- 幼児期に外国語にさらされた子ども
などに発症例が多いと言われていますが、これはあくまで可能性の話なので、上記に当てはまる子どもが必ずしも発症することはありません。
虐待を受けた子どもなどには、どの場面(親、兄弟に対しても)でも話をできない子がいますが、場面緘黙症の場合は、特定の場所でのみ話ができないのです。
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場面緘黙症って治療が必要?
場面緘黙症は個性だとも言われていますが、放っておいても良くなる病気ではありません。適切な治療を受けなければ、うつ病や不登校になるケースもありますので、できるだけ早期に教育的介入によって支援すべきとされています。
効果の高い治療法としては、行動療法、遊戯療法、箱庭療法などがあり、症状が重篤化する前の初期段階であれば、効果が認められると言われています。
場面緘黙症、親ができることってある?
場面緘黙症の問題のひとつとして、幼稚園や学校側では気づかれにくいということがあげられます。
たんに大人しいとか、口数の少ない子だと見なされ、先生側から見れば、“手のかからない、扱いやすい子”だと思われて、特に重要視されないのです。親がおかしいと疑っても、学校側はそれを認めてくれないケースもあるのです。
ですので、疑わしい場合は、かかりつけの小児科や総合病院の小児神経科を受診することをおすすめします。子どもの様子をよく観察し、親の直感で判断し、できるだけ早い治療に取り組んでください。
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最後に
「長子は大人しく、二人目の子は活発で」とよく言われ、一番そばにいるはずの親でも気づけない場合が多いのが、この場面緘黙症です。
私自身も、まさかこんな病気があるとは思わずに、全く初めて聞く病気でした。こういう病気があるのだという知識だけでも入れておいて、疑わしいと思ったらすぐに専門医相談するのをおすすめします。
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