ひと昔と今とでは時代は変わりました。
ひと昔前は学歴社会で、よい大学に行き、よい企業に就職することがエリートであり、成功と言われた時代でした。
今はどうでしょう?
個人の起業家がたくさんでてきて、かつてのエリートコース以外で成功する人も増えています。
ただし、以前ほどではないですが、もちろん学歴社会は残っています。
それは学歴フィルターという言葉があるように、卒業した大学だけで、その人の能力をある程度振り分ける慣習は今もあるのです。
今回は、なぜ今なお学歴が大事なのか?そして、では最高学府と言われる東大に子供を入れるにはどのような教育が必要なのか?、そしてこれからの時代あるべき教育とはどういったものか?について真面目に考えてみました。
なぜ学歴が大事なのか?
「学歴でその人の能力を判断するなんておかしい!」
そのご意見は、ごもっともだと思います。というのは、学歴があることと、仕事ができることに相関関係はないからです。
でも、本当に相関関係はないのでしょうか?
いいえ、やっぱりちょっとはあるのではないでしょうか。
=よい大学に合格した。
=大学に合格するための勉強に取り組んだ。
ことは間違いありません。
だとすると、学歴があるということは、少なくとも受験生の間、大学に合格するために必死に勉強したのです。
- 人よりも効率よく、手際よく勉強したのかもしれません。
- 人よりも何倍も努力したのかもしれません。
私は学生時代たくさんの、東大や京大、医学部を目指す受験生を見てきましたが、成績が良い生徒は生まれつき賢かったわけでも何でもなく、とにかく勉強をきちんとしているということです。
とすると、学歴がよいということは、一つの目標に対して、やり遂げる能力、続ける能力が他の人よりも勝っているという点は間違いないのです。
近い将来、学歴社会はますます崩壊していくと思いますが、学歴が大事な理由として、企業は決して一流大学に入った人を欲しているからではなく、その背景にある能力を欲しているからなのです。
もちろん一流大学に行っても、つまらない人間はたくさんいます。
また大学に入ることが人生の目標であったかのように、大学で落ちぶれる人もいます。そのような人でも学歴フィルターのおかげでうまくすり抜けてよい企業に入れるかもしれませんが、すぐに化けの皮ははがれますよね。
子供を東大に入れる教育とは?
タイトルを東大にしているのは、単に目立たせるためであり、東大である必要はありません。
よい大学に入れるためには、よい環境(場所・仲間・指導者)を与えることに尽きると思います。
逆算的に考えていきますね。
よい大学に入れる。
=その大学の受験科目で点数を取る。(逆に言えば受験科目の点数を取りさえすればいい。)
=受験科目で点数を取るために最も効率的に勉強をする。
そしてその最も効率的とは、
- 同じ目標を持った志の高い仲間と一緒に、
- 成績を上げるために最もよい学校や塾に行かせ、
- 勉強し続ける習慣をつける。
以上です。
そのために親がすべきことは、そのような環境に子供を入れることです。つまり、そのような環境の整った高校や中学、あるいは小学校・幼稚園に入れることです。
なぜ親御さんたちが、幼稚園受験だ、小学校受験だと必死になるかというと、子供をこのいわゆる成功のレールに乗せたいからですよね。
だから、高いお金払ってでも塾に行かせたりするんですね。
東大生の親の平均年収が高いことは有名な話ですが、それはお金をかけて教育をしている(傾向がある)からということですね。
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これからの時代を生き抜いていくための教育は?
ここまでは結構極論を述べてきました。
というのは、
「東大に行くことが人生の成功だ!」
「東大に行きさえすればいい!」
「そのためには、無駄なものは全てそぎ落とせばいい!」
という考えを肯定するような内容ですよね。
でも最初に述べたように、良い大学に入ることが人生の目標になっては本末転倒です。
今後学歴社会はますます崩壊していきますので、敷かれたレールだけを歩むスタイルだけでは生きていけないかもしれません。
せっかく一流企業に入っても、その一流企業が潰れることだってあるでしょうし、クビになることもあるかもしれません。そうなったときに、敷かれたレールしか歩いたことがなければ軌道修正ができないですよね。
「あの人東大出たのに、今じゃ見る影もないね」
そんなことになりかねません。
私が考える良い大学に入るための教育以外で大事だと思う教育は次の通りです。
- 自分で考える癖をとにかくつけさせる。
- 好きなことはとことんやらせる。
- スポーツなどをして体を鍛える。
- お金の勉強をさせる。
一つ一つ解説します。
自分で考える癖をとにかくつけさせる。
受験勉強には答えが必ずあります。でも、実際の社会は答えなんてないものばかりです。
受験勉強で成績を効率よく伸ばすためには、とにかくわからなければ答えをみて解法を覚えることです。このスタイルだけで東大も受かります。
でも、実際の社会は答えを見ようにも見れない事ばかりです。
今日する一つの行動の選択さえも正解はないのです。将来の一つ一つの選択に備えて、幼い頃から、じっくり考えて正しい選択をできる訓練をしておく必要があります。
そのためには、子供にどんどん質問をするのが良いと思います。
「この名前は何?」「このアルファベットは何?」
といった答えのある質問ではなく、
「◯◯くんは、どう思う?」「なんでそう思う?」といったオープンな質問を毎日投げかけることによって、考える力が養われていきます。
好きなことはとことんやらせる。
「親に勉強しろと言われて、その通りやってきた。勉強ばかりしてきたのでこれといった趣味もない。」
こんな学生が一流大学にいるのも事実です。
受験勉強に必要なものだけをやらせるのではなく、何かに没頭するという経験は必ずのちの人生で役に立ちますので、好きなことは、とことんやらせてみるのがよいでしょう。
将来、年功序列の給与制度もますます崩壊していくと思います。
成果を出した分だけお金をもらえるという歩合制の社会になりつつあります。
専門的な知識や、手に職があるということがますます強みなってくるでしょう。
だとすれば、何か一つのことに没頭し、その分野を極めるということは、社会に出たあと必ず役に立つ能力になります。
スポーツなどをして体を鍛える。
一流大学の受験科目には、水泳やマラソンなどは課されていません。
ところが、実社会に出たあとは仕事をする上で、体力がある人が絶対的に有利です。
医師の救急当直業務では、寝ないで働き続けなければなりません。
また、勉強をしながら部活動などをしっかりやるということは、同時にいくつものことを両立できる能力が身につくとともに、メリハリをつけて勉強する習慣をつけることにも繋がります。
お金の勉強をさせる。
お金の話をすると日本人は、「タブーだ」「あいつはお金に卑しい」などと嫌な顔をする傾向にあります。
その原因の一つは、学校教育で、お金の勉強をすることがないことが挙げられます。
結果、お金の話はタブーとなり、実際多くの大人はお金についてわかっていないことが多く、よくわからないけど保険に入ろう、よくわからないけど住宅ローンで家を購入しようと、周りと同じことをするのです。そして、騙されることも多いのです。
実はこれは大問題で、アメリカなどでは幼少期から子供にお金を殖やす方法などを教えます。
もちろんお金が全てではありませんが、生きるためにはお金が必要ですから、給与から天引きされている税金のこともわからない、では話にならないのです。
お金を稼ぐことも、守ることも、税金のことも、殖やすことも、詳しく勉強する必要があると考えます。
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教育するためには自分ができていることが大前提!
「勉強しなさい!」と子供に怒鳴るだけでは、子供は勉強しません。
「勉強しなさい!」といって、自分はソファーでテレビを見ていたら、なんで自分だけと言って、子供もテレビを見たがるでしょう。
「おもちゃ買ってあげるから勉強しなさい!」では、ご褒美がないと勉強しない子供になります。
「勉強しなさい」と子供にいうのであれば、まずその親がそれ以上に勉強しているべきです。親の姿を見て、子供も育ちます。指示をするのは簡単ですが、実際にそれをやるのは大変なのです。
先ほど述べた、何かに没頭する姿や、スポーツをする姿、そしてお金の知識を身につける点なども親ができていなければ、子供もできません。
つまり、親も常に勉強し続け、学び続ける姿勢が大事なんですね。
→灘から東大医学部に息子3人を入れた佐藤ママに学ぶ3つのポイント
関連記事)科学的根拠に基づいた子供の成績を伸ばす3つのポイント!
最後に
子供を東大に入れる方法から、これからの時代を生きていくために必要な能力まで、さまざまなお話をしてきました。
良い大学に入ることが人生の目標にならずに、また良い大学関係なく、これからの時代を生きていくには、
- 興味を持って学び続ける姿勢
- 常に自分で考えて行動できる点
が特に大事ですね。
会社が潰れても、クビになっても人生を切り開ける力がこれからは必要です。そのためには、体力も金融の知識も必須ですね。
東大なんて単なる通過点ですね。
by kudi
(ちなみにこの記事の著者は、3歳の息子を持つパパ(医師)です)