熱性けいれんを一度起こすと、それ以降、熱が37.5度以上出た時にけいれん予防にダイアップを使うことを指導されることが多いですね。
でも、病院で1回目を入れてくれて、2回目以降はどうするかなど、使い方を教えてもらえます。
私の娘は10ヶ月の頃に熱性けいれんを起こし、それ以降、37.5度以上の熱が出た時にダイアップを挿入するように指導されてきました。
娘は喉が弱かったためか、喉からの熱を出すことが多く、熱を出す時は必ず40度近い熱を出していました。
なので、何度もダイアップのお世話になった経験があります。
大抵、1日から2日で熱は下がったのですが、何度かは3日ほど高熱が続いた時もありました。
そんな時、2回目以降のダイアップはどうすればいいのか?と疑問に思って、看病しながら必死でネットを検索したのです。
熱性けいれんになったことがない方も、いつなるかわからない熱性けいれんに備えて、使用方法を知っておいたほうが慌てなくてすむのでぜひ読んでおいていただきたいです。
今回はそんなダイアップの使い方や3回目を入れるタイミング、いつまで使用すればいいのかなどについてまとめてみました。
※2015年に熱性けいれんガイドラインが改訂されました。この記事は2017/01/02に医師監修のもと編集しました。
ダイアップの使用方法
ダイアップは熱性けいれんを起こしたあと、もしくは、37.5度以上出た時に予防として使用します。
その後も発熱が続き、8時間後にも熱が下がらない場合は2回目を入れるように指導されます。
しかし、病院でもらう説明書やダイアップの添付文書には2回目までしか書いてありません。
熱が下がらない場合、3回目は?
では、
「2回目以降熱が下がらない場合はどうしたらよいのでしょうか?」
基本的に、2回目の使用で解熱しない場合は、小児科を受診しましょう。
添付文書などにもあるように通常は2回の使用のみです。
ただし、かかりつけの医師から特別に指示がある場合、
- 2回目の坐薬から約16時間以上後(1回目の坐薬から約24時間以上後)
に3回目のダイアップ坐薬を使うことはあります。
参考サイト)塚田こども医院/ヘルス・レター 502
またこちらのDVDにおいても、「第4回 発熱・けいれん(後編)」においてその旨(3回目を初回から24時間で使うことがある点)が言われています。
参考DVD)自信がつく! Dr.中野のこどものみかた(上巻)
ただし、このDVDでは
ダイアップは通常1-2回で熱性痙攣は起こらなくなるというデータが出ている。
日本の場合ダイアップの坐薬を使いすぎているきらいがあると思う。
とも、言われています。
実際、医師によっては3回目の投与を薦めないこともありますので、あくまで3回目の使用についてはかかりつけの先生の指示に従ってください。
こちらもチェック下さい。2015年に18年ぶりに熱性けいれんのガイドラインが一新された
この時間の根拠は?
ところで、この初回投与から24時間後(2回目から16時間以上後)という具体的な数字は何を根拠に出てきた数字なのでしょうか?
それはダイアップの坐薬を使ってからの、血中濃度の推移が根拠にあります。
こちらのサイトの一番下のグラフをご覧になってください。
参考サイト)ジアゼパム坐剤の使用法 (ダイアップ坐剤)
こちらのジアゼパムの血中濃度の推移を見ると2回目が8時間である理由もわかります。
つまり1回目のダイアップは8時間でけいれんを抑制できる有効濃度を下回るからです。
また、2回目を8時間後に使うと、その効果は24時間を超えたところまであります。
ですので3回目を使うとしたら24時間以上後、という数字が出てきます。
2015年に18年ぶりに熱性けいれんのガイドラインが一新された
熱性けいれん診療ガイドライン2015 P55より引用。
熱性けいれん診療ガイドライン2015では上にあるように、
「2回目のダイアップを8時間後に使うと、治療域内の血中濃度は36-48時間保たれる。」と記載があります。(36-48時間というのは先ほどのグラフよりも長い印象ですね・・・)
そして、3回目である24時間後の追加投与については、
- 発熱48時間以降にけいれんを認めた既往があるなど
の必要と認めた場合には推奨される。
と記載があります。
ただし、その場合、血中濃度が高くなるため、副作用には注意が必要であるとのことです。
いずれにせよ、自己判断では3回目は使わず、かかりつけ医への相談が必要です。
坐薬が肛門から出てきた場合は?
ダイアップは挿入後5分から10分で吸収されます(吸収が早く、血中濃度の立ち上がりも早い薬です)。
入れてからすぐに出てきた場合は入れなおします。
挿入後5分以内に便と一緒に出てきた場合も同様です。
出てきたダイアップがつまめないほどの柔らかさになっていれば、かなり吸収されているので入れなおさなくても大丈夫です。
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解熱剤との併用は?
解熱薬と併用することはありますが、先ほど申し上げたようにダイアップは効果が出るのが早い薬なので、まずはダイアップを使って、30分以上経過しても熱が下がらない場合に、解熱薬を併用することがあります。
順番としては、第一にダイアップ→それでもダメなら解熱薬という順番です。
参考DVD)自信がつく! Dr.中野のこどものみかた(上巻)
関連記事)熱性けいれんの対処法は?薬は?起こったときに大慌てしないために。
いつまで使用すればいいの?
熱性けいれんを一度起こすと、その後も起こしやすいといわれていますが、いつまでダイアップを使用すればいいのか迷いますね。
- 基本的に2年間使用する。
- 年齢も4-5歳までを目安に使って何もなければ、やめる。
と言われています。
参考DVD)自信がつく! Dr.中野のこどものみかた(上巻)
ただし、5歳・6歳までという説や、熱性けいれんを起こしやすい年齢が2歳半までということから2歳半まででよいという先生もいます。
さらには、熱性けいれんは必要があって起こしているものなので、必要ないという先生もいます。
確かに、他の国では熱性けいれんにダイアップを使わないほうが一般的なようです。
うちの娘は2回けいれんをおこしていますが、二回目は2歳になったばかりの頃でした。それ以降は様子を見ながらダイアップを使ったり使わなかったりして観察していました。
ダイアップは必要ないという意見を知ってからは、二度と娘がけいれんを起こす姿を見たくないという気持ちと、使わないほうがよいという意見を信じたい気持ちとの葛藤でした。
関連記事)子供の熱性けいれんで知っておくべきポイント!再発は?分類は?
さいごに・・・
熱性けいれんは、わが子が白目をむいてけいれんしている姿を見てしまうと怖いですし、辛いですよね。ダイアップの正しい使い方を知って、いざというときのために慌てないようにしましょう。
byさっちん
※この記事は2017/01/02に医師監修のもと編集しました。