
熱性けいれんを起こしたあと、発作の様子などによっては、熱が37.5度以上出た時にけいれん予防にダイアップ(ジアゼパム坐剤)を使うことを指導されることがあります。
でも、病院で1回目を入れてくれて、2回目以降はどうするかなど、使い方を教えてもらえます。
私の娘は10ヶ月の頃に熱性けいれんを起こし、それ以降、37.5度以上の熱が出た時にダイアップを挿入するように指導されてきました。
娘は喉が弱かったためか、喉からの熱を出すことが多く、熱を出す時はいつも40度近い熱を出していました。
なので、何度もダイアップのお世話になった経験があります。
大抵、1日から2日で熱は下がったのですが、何度かは3日ほど高熱が続いた時もありました。
そんな時、2回目以降のダイアップはどうすればいいのか?と疑問に思って、看病しながら必死でネットを検索したのです。
熱性けいれんになったことがない方も、いつなるかわからない熱性けいれんに備えて、使用方法を知っておいたほうが慌てなくてすむのでぜひ読んでおいていただきたいです。
今回はそんなダイアップの使い方や3回目を入れるタイミング、いつまで使用すればいいのかなどについてまとめてみました。
※熱性けいれんの診療ガイドラインは2015年に改訂され、2023年には「熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン2023」(日本小児神経学会)が出ています。この記事は2017/01/02に医師監修のもと編集し、2026年にガイドライン2023の内容に合わせて見直しました。
・ダイアップは、発熱が続いていれば1回目の8時間後に2回目を入れるのが基本
・3回目は医師から特別な指示があるときだけ(2回目から16時間以上あける)
・予防に使う期間の目安は「最終発作から1~2年、または4~5歳まで」(ガイドライン2023)
・使うかどうか、いつまで使うかは、かかりつけの小児科と相談して決める
ダイアップの使用方法
ガイドライン2023では、ダイアップの予防投与はすべての子にいつも使うものではなく、けいれんが15分以上続いたことがある場合や、いくつかの条件にあてはまる熱性けいれんを2回以上起こした場合などに使うとされています。
使う場合は、37.5度を目安に1回目を入れます。その後も発熱が続き、8時間後にも熱が下がらない場合は2回目を入れるように指導されます。
しかし、病院でもらう説明書やダイアップの添付文書には2回目までしか書いてありません。
熱が下がらない場合、3回目は?
では、
「2回目以降熱が下がらない場合はどうしたらよいのでしょうか?」
基本的に、2回目の使用で解熱しない場合は、小児科を受診しましょう。
添付文書などにもあるように通常は2回の使用のみです。
ただし、かかりつけの医師から特別に指示がある場合、
- 2回目の坐薬から約16時間以上後(1回目の坐薬から約24時間以上後)
に3回目のダイアップ坐薬を使うことはあります。
参考)国立病院機構 熊本医療センターの資料「ジアゼパム坐薬(ダイアップ坐剤)の使い方と注意点」(北里大学病院小児科作成より引用)
またこちらのDVDにおいても、「第4回 発熱・けいれん(後編)」においてその旨(3回目を初回から24時間で使うことがある点)が言われています。
参考DVD)自信がつく! Dr.中野のこどものみかた(上巻)
ただし、このDVDでは
ダイアップは通常1-2回で熱性痙攣は起こらなくなるというデータが出ている。
日本の場合ダイアップの坐薬を使いすぎているきらいがあると思う。
とも、言われています。
実際、医師によっては3回目の投与を薦めないこともありますので、あくまで3回目の使用についてはかかりつけの先生の指示に従ってください。
こちらもチェック下さい。2015年に18年ぶりに熱性けいれんのガイドラインが一新された
この時間の根拠は?
ところで、この初回投与から24時間後(2回目から16時間以上後)という具体的な数字は何を根拠に出てきた数字なのでしょうか?
それはダイアップの坐薬を使ってからの、血中濃度の推移が根拠にあります。
こちらのサイトの一番下のグラフをご覧になってください。
参考サイト)ジアゼパム坐剤の使用法 (ダイアップ坐剤)
こちらのジアゼパムの血中濃度の推移を見ると2回目が8時間である理由もわかります。
つまり1回目のダイアップは8時間でけいれんを抑制できる有効濃度を下回るからです。
また、2回目を8時間後に使うと、その効果は24時間を超えたところまであります。
ですので3回目を使うとしたら24時間以上後、という数字が出てきます。
2015年に18年ぶりに熱性けいれんのガイドラインが一新された
熱性けいれん診療ガイドライン2015 P55より引用。
熱性けいれん診療ガイドライン2015では上にあるように、
「2回目のダイアップを8時間後に使うと、治療域内の血中濃度は36-48時間保たれる。」と記載があります。(36-48時間というのは先ほどのグラフよりも長い印象ですね・・・)
そして、3回目である24時間後の追加投与については、
- 発熱48時間以降にけいれんを認めた既往があるなど
の必要と認めた場合には推奨される。
と記載があります。
ただし、その場合、血中濃度が高くなるため、副作用には注意が必要であるとのことです。
2023年に出た「熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン2023」でも、8時間後の追加で初回から36~48時間は治療域の濃度が保たれること、24時間後の追加は必要と認めた場合(発熱48時間以降にけいれんを起こしたことがあるなど)に使うことが推奨される、という考え方が引き継がれています。また、眠気やふらつきなどの副反応に気をつけることも書かれています。
いずれにせよ、自己判断では3回目は使わず、かかりつけ医への相談が必要です。
坐薬が肛門から出てきた場合は?
ダイアップは飲み薬に比べて吸収が早く、入れてから5~10分ほどで効果が出はじめるとされています(出典: 熊本医療センターの資料)。
入れてからすぐに出てきた場合は入れなおします。
使ったあと30分ほどは、おしりから薬がもれていないか見ておきましょう。
出てきたダイアップがつまめないほどの柔らかさになっていれば、かなり吸収されているので入れなおさなくても大丈夫です。判断に迷うときは、処方した医師や薬剤師に確認を。
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解熱剤との併用は?
解熱薬と併用することはありますが、2種類の坐薬を同時に入れるとダイアップの吸収が悪くなることがあるため、ダイアップを先に入れて、30分以上あけてから解熱用の坐薬を入れるように説明されています(出典: 熊本医療センターの資料)。
順番としては、第一にダイアップ→30分以上あけて解熱薬という順番です。
なお、ガイドライン2023では、解熱薬で熱性けいれんの再発を防げるという根拠はなく、再発予防のための使用は推奨されないとしています。一方で、熱によるつらさをやわらげる目的で使うことは、ほかの発熱と同じようにしてよいとされています。
参考DVD)自信がつく! Dr.中野のこどものみかた(上巻)
いつまで使用すればいいの?

熱性けいれんを一度起こすと、その後も起こしやすいといわれていますが、いつまでダイアップを使用すればいいのか迷いますね。
- 最終発作から1~2年使用する。
- または年齢として4-5歳までを目安に使って何もなければ、やめる。
と言われています。ガイドライン2023でもこの期間がよいと考えられるとしていますが、はっきりした根拠(エビデンス)はないとも書かれています。
参考DVD)自信がつく! Dr.中野のこどものみかた(上巻)
ただし、5歳・6歳までという説や、熱性けいれんを起こしやすい年齢が2歳半までということから2歳半まででよいという先生もいます。
さらには、熱性けいれんは多くが良性のものなので、必要ないという先生もいます。
ガイドライン2023でも、熱性けいれんの多くは良性で副反応もあることから、ダイアップをルーティン(全員に決まりごと)として使う必要はないとされています。
うちの娘は2回けいれんをおこしていますが、二回目は2歳になったばかりの頃でした。それ以降は様子を見ながらダイアップを使ったり使わなかったりして観察していました。
ダイアップは必要ないという意見を知ってからは、二度と娘がけいれんを起こす姿を見たくないという気持ちと、使わないほうがよいという意見を信じたい気持ちとの葛藤でした。
さいごに・・・

熱性けいれんは、わが子が白目をむいてけいれんしている姿を見てしまうと怖いですし、辛いですよね。ダイアップの正しい使い方を知って、いざというときのために慌てないようにしましょう。
使うかどうか、いつまで使うか、3回目が必要かは子どもによって違います。気になるときは、かかりつけの小児科に相談を。
byさっちん
※この記事は2017/01/02に医師監修のもと編集しました。
