乳児の感染には注意を払わなければいけないRSウイルス。1年中かかる病気ですが、毎年特に11月からが流行時期だと言われています。
大人や幼児がかかっても風邪のような軽症で済むことが多いのですが、乳児に感染すると重症化の恐れがあります。そんなRSウイルスに予防接種があるのをご存じですか?
今回は、RSウイルスの予防接種について、投与対象者、値段についてご説明したいと思います。
RSウイルスの予防注射「シナジス」
シナジスというのは、RSウイルスを予防する注射の名前です。シナジスは薬の商品名で一般的にはパリビズマブと言います。
シナジスはワクチンではありませんから、これを打ったからといって、RSウイルスにかからないわけではありませんが、重症化を防いでくれるという効果が期待できます。
- この薬が非常に高価であること
- 保険適用で打てる対象が決まっている
ということです。
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シナジスの投与対象者とは?
- 母親のおなかにいた期間が28週以下の早産で、12か月齢以下の赤ちゃん
- 母親のおなかにいた期間が29~35週の早産で、6か月齢以下の赤ちゃん
- 過去6か月以内に気管支肺異形成症の治療を受けたことのある24か月齢以下の赤ちゃんおよび幼児
- 24か月齢以下の先天性心疾患児で、血行動態に異常がある赤ちゃんおよび幼児
- 24か月齢以下の免疫不全をともなう赤ちゃんおよび幼児
- 24か月齢以下のダウン症候群の赤ちゃんおよび幼児
しかし、対象児だからといって接種は強制ではないということです。
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シナジスの値段は?
シナジスは薬剤の単価が高く、体重によって料金も変わりますが、1回なんと8万円から32万円くらいします。
薬剤が効くのは約1ヶ月。投与期間はRSウイルス流行前の10月から4月までの6ヶ月間、毎月1回なので、6回打たなければなりません。自費で払うとなると、相当な高額になります。
うちの子の場合
うちの次男三男は双子で、36週の早産で2600gと1400gで生まれました。三男は約2ヶ月、NICUでお世話になりました。
早産で三男は極低出生体重児でしたが、36週で生まれたということで、シナジスを保険適用で打てる対象ではありませんでした。もちろん双子の主治医の先生からも何の説明もありませんでした。
私がなぜシナジスの存在を知ったかというと、妊娠8ヶ月から入院したときに知り合い、その後も交流があるお友達の話からでした。そのお友達のお子さんは35週で生まれ、シナジスを打てる対象児だったのです。
うちは先に退院していた次男が2ヶ月のときに鼻水と咳の風邪にかかり、RSウイルスの疑いで三男の退院が延期になったということがありました。結局RSウイルスではなかったのですが、そのときに早産児や低出生体重児は特に重症化する恐れがあるので、感染には気を付けてください、と先生から言われたのです。
その時にお友達に聞いたのがシナジス。自分でいろいろ調べましたが、自費ではかなりの高額のため、打つことは諦めました。
最後に
- RSウイルスを予防するシナジスという予防接種がある
- 保険適用には条件がある
- 自費で受けようと思ったら1回8万~32万かかる
- 流行時期の半年間毎月1回打たないといけない
この薬の値段は、一般家庭では現実的ではありません。ネットでシナジスを自費で打った人の体験を聞いてみたいと検索してみましたが、私には見つけられませんでした。対象児でなくても、重症化して入院する赤ちゃんもたくさんいます。自費で払うにしても、もう少しお薬が安ければ、と何度も思いました。
そう簡単にいかない事情もあるのでしょうが、近い将来対象児でなくても、シナジスを打つ、打たないの選択ができるようになればいいな、と思います。
by meeco