親なら気になるお子さんの歯並び。
「うちの子は大丈夫かしら?」
「嚙み合わせが・・」
などと、早くから歯列矯正を考える親御さんが増えてきました。
実は私もその1人!最近子供2人の矯正を始めたばかりなんです。
皆さんはどうですか?
でもいつから始めよう!?
今回は「子供の歯列矯正について」
- 始めるタイミングはいつ?
- ベストな時期はあるの?
- それを逃すともう遅い?
- 矯正歯科の選び方
についてご説明しますね!
大人の矯正とは別物なので、是非参考にしてみてください。
子供の矯正はいつからがおすすめ?
ずばり、7歳までに一度、矯正専門医への相談をおすすめします!
この時期にすぐ器具をつけての治療を始めるという意味ではありません。
- 問題があった場合はすぐにスタートできる
- 今でなくても適切な開始時期を診断し、将来の治療計画を立てることができる
- 早めに診せることで、治療計画の幅が広がる
といったメリットがあります。
相談する時期が開始時期を見極める重要なポイントなのです!
一度相談しておくことで、お子さんの問題が早めに分かったり、まだ必要でないことが分かったり、どちらにしてもお母さんにとっても安心ですよね。
7歳は、前歯の生え代わりの時期で、将来の歯並びがおおよそ見えてくる時期でもあります。
この時期の相談なら、その後の治療も開始時期が遅すぎたということはほとんどないので、心配な場合は一度専門医に診ていただくことをおすすめします。
小児矯正のスタート時期
まず、子供の矯正治療を考える上で基本となる小児矯正の仕組みとして
- 1期治療(骨格矯正)・・・3歳~12歳
- 2期治療(歯列矯正)・・・10歳~成人
の2段階に分かれているということを覚えておいてください。
小児矯正は、顎の骨のバランスや大きさを整える1期治療と、歯の位置を整える2期治療からなります。
- 就学前
- 小学校低学年
- 小学校高学年
- 中学生~
それぞれが、歯の成長の段階であるポイント時期です。
では、詳しく見ていきましょう!
就学前
乳歯が生え揃い、永久歯が生え始める前の乳歯列期。
必要ならば治療に入る場合もあります。
- 反対咬合(受け口)
- あごの位置がズレている交差咬合(下顎側方偏位)
- 前歯が噛み合わない開咬
また、指しゃぶりや口呼吸、下の癖などが歯並びや咬み合わせに影響していないかもチェックし、その癖を治す治療をすることもあります。
しかし、どちらの治療もまだ幼いため、
- 正しく器具が装着できず矯正の効果が得られない
- 矯正によるストレスも受けやすい
- 治療期間が長くかかる
など、難しいことも多いので、保護者からの希望がない場合は、上の前歯が生える小学生までは定期観察することも多くあります。
この時期がその子にとってのベストな時期なのか、よく矯正専門医と相談してから決めましょう。
スタートしないとしても、この時期に一度歯並びの将来についてを聞いておくことはとても大事なことです。
小学校低学年
6歳臼歯が生えて、前歯が生え変わる時期です。
乳歯と永久歯が混ざった混合歯列期と言います。
前歯と6歳臼歯が生えそろうことで、歯並びのサイズがある程度決まってきます。
この時期に相談すると治療計画も立てやすくなります。
顎の骨がまだ柔らかく成長過程であるため、その成長を利用して治療を行います。
主に、この時期に
- 噛み合わせ
- 顎の形
- 永久歯の生えてくるスペース
- 顎の大きさ
これらを整えて、永久歯がきちんと生える土台作りをし、生え変わりを誘導する1期治療を行います。
土台がきちんと出来上がった場合、永久歯がすべて生えそろうまで経過を観察します。
そのまま問題なければ、本格的な2期治療での歯列矯正の必要がなくなるケースもありますが、2期治療まで必要となるとかなりの長期戦となるので、その可能性も考えてスタートしましょう。
小学校高学年
犬歯から小臼歯が永久歯へ生え変わる時期で、まだ乳歯も残っている混合歯列期です。
10~12歳頃の永久歯が生えそろう直前の時期ですね。
まだ顎の成長過程であり、顎を広げたり、噛み合わせのバランスを整えるのにも適した時期となります。
本格矯正の準備期間であり、この時期から始める場合は、2期治療も必要になってくるケースが多くなります。
症状によっては、この時期の治療のみで済む場合もありますが、その後の本格的な歯列矯正に渡って、治療が長くかかることも視野に入れて始めましょう。
その後の習い事や受験、部活活動まで・・環境を考えてスタートする必要があります。
中学生~
永久歯が全て生えそろうこの時期は永久歯列と言います。
完全に成長が止まってしまう前に、1本1本の歯に装置をつける、いわゆるブラケットによる本格的な2期治療を開始することになります。
この時期の矯正治療では
- 歯根がしっかりしているため、歯を動かすのに小学生よりも時間がかかる
- 抜歯の必要が出てくる
- 多感な時期で心理的苦痛を感じやすい
- 部活などで治療に通いにくい
などあるので、この辺の環境とお子さんの気持ちも考慮してスタート時期を見極めましょう。
必要な場合は成長が完全に止まる前の治療をおすすめします。
https://twitter.com/5g0_kou/status/539447189999583232
大人になって、後悔している人、けっこう多いですよ。矯正を考えている方は永久歯列になった頃までには、専門医に相談へ行きましょう。
ベストな時期は?
矯正は8歳~10歳に開始するのがベストなタイミング
大半の乳歯が抜けてきて、永久歯に生え変わる8歳から、永久歯が生え揃う前までの時期が、矯正のスタートに適しています。
永久歯が生えそろうまでの混合歯列期に1期治療を行い、顎の骨のバランスや大きさを整える骨格矯正により、その土台を作るのが目的です。
この時期に始めるメリット
- 矯正の痛みが大人より少ない
- 目立つ器具を使わずに済む場合がある
- 顎の成長期で、顎の調整を行うのに適している
- 2期治療の歯列矯正の期間が短くなったり、必要なくなる可能性がある
- 治療後の後戻りが少なくなる
- 精神的に安定した時期である
- まだそれほど他人の目を気にしない時期である
- 周りにも矯正をする子が多い時期である
- 抜歯をしないで済むことが多い
- 歯が移動しやすくスペースを作りやすい
- 虫歯や歯周病になるリスクを減らせる
顎の成長を促したり、抑制することも可能な時期で、メリットが沢山!
長女9歳、長男7歳からのスタート。なので、現在、顎の成長を利用しての1期治療です。
まだスタートして6週間。これからって感じですが、確実に歯は動き始めています!
歯が大きくて凸凹の歯並び。
子供の矯正治療であれば、非抜歯で短期間で治療できます。 pic.twitter.com/eDpCOlq7E1— 女医@さくら先生 (@hsmile_jp) July 27, 2013
こんなに変われたら大満足ですよね!
歯列矯正でなるべく抜歯なく、痛みなく、後戻りなく、目立たなく、スムーズに治療したいなら・・
⇒ 8歳から10歳の時期に矯正治療がスタートできるよう
⇒ 7歳までに1度矯正専門医への相談がおススメ これがポイントです!
早期治療が必要でないケース
ただし、この時期に全ての子供の治療が有効であるというわけではありません。
日本歯科矯正専門医学会が、2016年9月に作成した歯科矯正治療に関する診療ガイドラインによりますと・・
- 上の前歯が出ている7~11歳の子どもは、永久歯が生え揃うまでは矯正治療を行わないことを強く推奨
- 他の症状でも1期→2期治療までかかると分かっている場合は、早期治療を行わないことを推奨する
- 早期の1期治療でも、生え揃ってからの2期治療からでも、治療法や期間は変わってもいきつく結果に変わりはない
- 根拠なく全ての患者に早期治療を進める歯科医に注意
- 矯正治療に関するきちんとした知識や技術がない歯科医が存在するので注意
つまりは、「最初から2期までかかると分かっている場合は、いきつく結果は同じなので、早くから始める必要性はない」とのことです。
また、高額で長期にわたる治療なので、色々と問題も起こっているようです。
歯科医は誰でも矯正治療を行えますが、高い専門の知識や技量を備えていない場合もあるので、歯科医選びは注意が必要と呼び掛けています。
以上のことも理解した上で
- 早期治療が検査で有効であると分かった場合
- 見た目をとても気にしている子供の場合
- 嚙みにくくて困っている場合
早期治療のメリットもあるのは事実なわけで、これらを総合して考えて、矯正の専門医に十分に相談してから開始時期を決めましょう!
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大きくなってからじゃ遅い?
永久歯が生え揃った後も、完全に成長が止まったわけではなく、17~18歳くらいまではゆっくりながらも成長が続きます。
成人以降と比べると、まだ歯は動きやすいため、12~15歳から開始しても遅くはないのです。
ただ、この時期からは顎を広げることは難しいため、歯をきれいに並べるスペースを作るには抜歯が必要になることが多くなるので覚えておきましょう。
治療開始時期に関しては、治療を待った方が良いケースもあります。
大切なのは、その最適な時期を見極めておくことです。
子供の矯正は約1年半、大人の矯正は約2年半。受験や成人式、就活までに終わらせたいとなると始めるタイミングが逆算できます(^_^)b pic.twitter.com/rNPWGM3BnR
— Silver Lace矯正歯科 (@SilverLaceOrtho) March 16, 2016
自分に置かれた環境も含め考えると良いですね。
矯正歯科の選び方
- 矯正の認定医・専門医がいるか
- 通いやすさ
- 予約の取りやすさ
- 歯科医との相性
- 治療費について
- 転勤がある場合注意点
必ずお子さんを連れてカウンセリングに行き、以上の6点をチェックした上で決めましょう。
かなりの長期、多額のお金を払っての治療です。失敗はしたくないですよね!
矯正の認定医・専門医がいるか
矯正歯科はとても専門性の高い分野であるため、歯科の先生によってできる治療も変わってきます。
矯正のプロを探したいのであれば、日本矯正歯科学会において、認定医・専門医の資格を持っているかどうかをチェックしましょう。
この資格がなくても矯正は可能なので、より安心して治療を受けたいなら、ここは外せないところです。
通いやすさ
長期に渡っての治療になります。「評判がよいから」と遠い所に通い始めると、通院が面倒になったりしかねません。
また、車で通う場合は駐車場があるのか、ここもチェックします。
予約のとりやすさ
一般歯科と矯正歯科を一緒に行う医院は多くあります。
その場合、決まった曜日に別の医院から矯正歯科担当の非常勤医師が来るというスタイルをとっているところが多いです。
そうなると、すぐに対応して欲しい場合や、その日時に行けなくなった場合などに困ります。
また、矯正のみの専門医院でも、人気過ぎると予約が取りづらい場合もあります。
歯科医との相性
- きちんとした説明をしてくれるか
- 治療の選択肢やメリット・デメリットまでおしえてくれるか
- きちんとした検査をしてくれるか
- 子供の意思を確認してくれるか
- 質問しやすいか
- 子供と歯科医との相性
この辺を、カウンセリングでチェックしておきましょう。
治療費について
まず、治療費用、支払い方法は医院によって違います!一般的には
1期治療 | 30~50万程度 |
2期治療 | 40~60万程度 |
このくらいの料金設定が多いです。1期をしないで2期からスタートした場合は少し割高なこともチェックしておきましょう。
どちらも健康保険が適用されず、全額自己負担になる場合がほとんどですので高額ですが、医療費控除の対象にはなっていますので、確定申告により一部費用が戻ってくることもあります。
- トータル費用を最初に要求し、その後の支払いはなしの医院
- 毎月の調整費をその都度求める医院
- 装置により個別の料金システムを使用する医院
- 1期→2期治療に入った場合は、2期の費用から1期分を差し引いた金額でしてくれる医院
- 1期30万、2期30万それぞれ必要な医院
- 分割による支払いが可能な医院
など、支払い方法や費用が医院で全然違うので、いくつかの医院を比べてから決定することをおすすめします。
転勤がある場合の注意点
転勤があるご家庭の場合、医院選びは注意が必要です!
長い矯正治療の間に転勤ということもあると思いますが、通常転院先の歯科医院で料金を引き継ぐことはできません!
「もう一度高額な費用を・・なんて無理!」
と、途中で治療を辞めたり、遠くからわざわざ毎月調整に通う患者さんも多くいるのです。
但し、「国立の大学病院から国立の大学病院に転院する場合」、転院の際に料金を引き継ぐことができます。
また、私の通っている医院の先生は「提携のところや知り合いの所に紹介したら割引もありますよ」とおっしゃっていました。
とにかく、ここは考えてから決めましょう。
最後に
- 7歳までに一度矯正専門医に相談することが開始時期を見極めるポイント
- 小児矯正は1期治療(骨格矯正)と2期治療(歯列矯正)の2段階
- 一般的に矯正開始のベストタイミングは8歳~10歳
- 個人の症状や環境によって開始時期や方法は変わってくる
- 1期治療は顎の成長を利用して治療が可能でメリットが多い
- 大きくなっても治療は可能だが、抜歯の必要性は高く、成長が止まる前にスタートした方が良い
- 矯正歯科を決める際はカウンセリングし、確認事項をチェックすること
子供の矯正治療のスタート時期に関しては、様々な見解があります。
お子さんの歯の状態、心の状態、環境・・トータルでみながら、いくつかの医院でカウンセリングを行い、まずは矯正の専門医に相談してみましょう。
相談したからといって、すぐ器具をつけなきゃというわけではありません。
お子さんの将来の歯並びの治療の幅を狭めないためです。
そして、何よりお子さんの気持ちを聞いてあげて欲しいと思います。
長期にわたって行うことですし、痛みや心理的な悩みも伴います。
本人が「綺麗な歯並びにしたい」という意欲があることが大事なことです。
将来、自信を持って素敵な笑顔ができますように☆彡
そして・・・我が子の歯列矯正体験記の経過や結果報告は、また治療完了しましたら、記事でお伝えいたします。
byRIKO