心身症とは、心に何らかのトラブルがあり、
その結果、体に何らかの症状として発症してしまうことです。
よくあるのは、
彼氏にフラれたり、トラブルになった女の子が過換気になって、
呼吸苦や全身のしびれなどを訴えるケースです。
現代社会では、ストレスなどが引き金となることが多いですが、
症状がないのに症状があるふりをする詐病とは異なり、
本当に症状として出てしまうので、きちんとした対応が必要です。
今回は、医療従事者(医師)である私の経験を踏まえて、
心身症にはどういった症状がでるのか、
小児〜青年期のケースをまとめます。
心因性を疑う院内での様子
医療従事者側からみて、
- 医療側への注文が多い。
- 医師と受付職員への態度の差が激しい。
- 通常の診療時間には来ずに、時間外受診が多い。
- 薬を用いた治療に反応しない。
- 治療が終了すると急に症状が悪化する。
といったときに、これは心因性の症状ではないかと疑います。
心身性を疑う具体的な症状や状態
- 症状が出る時間帯が決まっている。
- 会話のやりとりだけで、症状の変化が大きい。
- あらゆる身体疾患よりも強く症状を訴える場合。
- 症状が次々変わっていく。
- 子供らしくない訴えや、次々新しい症状が出てくる。
- 土日には症状が消失する場合。
- 連休明け、梅雨、2学期に出てくる症状。
- 病歴が長く、いろんな病院を渡り歩いている。
といった症状や状態の場合は、心因性も考慮にいれます。
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心身症でどんな症状が出るか?
- 頭痛、腹痛、関節痛、筋肉痛、神経痛
- 吐き気、嘔吐、下痢、食欲不振
- 微熱
- 咳、呼吸苦、動悸
- 頻尿、夜尿
- 耳鳴り、めまい、見えない、聞こえない
- 立てない、歩けない
- 子供らしくない症状:肩こり、疲れ
といった症状がでます。
特に救急外来を受診する場合は、
腹痛や頭痛、嘔吐といった症状が出た場合が多いです。
心因性と疑ったときに注意すること
心因性(心身症)を疑った場合、
こちらのちょっとした一言が、
子どもに不安を与えることになります。
点滴をしている時に、「あれ、おかしいな?」
と医療従事者が発言すると、子供は不安になります。
その結果、治療効果は減っていくことになります。
これは、心身症に限った話ではなく、
- 医師に血圧を測ってもらったら安心
- 生理食塩水(塩水)でも点滴してもらったら安心
という患者さんは非常に多く、
その延長線上に心身症があるのです。
最後に
心にトラブルがあり、症状がある場合は、
場合によっては症状をおさえるため、治療の対象になります。
最初に挙げた過換気症候群も、症状が強い場合は、
薬を使うこともあります。
子どもの場合、症状が心から来ている可能性があると、
あらかじめご両親が考えているならば、その旨を伝えていただけると、
検査などで子どもに不必要な負担をかけることも避けられます。
by kudi