ケンケンといった乾いた感じの咳。
犬の遠吠えのような咳。

こんな変わった症状の咳をしているお子さんはいませんか。

もしかすると、クループ症候群かもしれません。
ひどい場合は呼吸困難にもなってしまうクループ症候群。

今回は、このクループ症候群について、症状や特徴、原因などをご紹介します。


クループ症候群とは?

クループ症候群とは、

上気道(声を出すための声帯や喉の周辺)が、ウイルスや細菌に感染して炎症を起こす病気

です。
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生後3ヶ月~5歳までのお子さんにかかりやすく、なかでも生後2年以内の発症が最も多い病気です。
冬場に発症しやすく、男子に多いのも特徴です。

クループ症候群の症状は?何か特徴はあるの?

特徴としては、

・乾いた感じの咳(ケンケンという感じ)
・犬の遠吠えのような咳
・オットセイの鳴き声のような咳
・声がかれる
・発熱

始めはいつもと変わらない風邪の症状から始まります。
1~2日程度で38度~40度近くの高熱が出ます。
その後、犬の遠吠えのような独特の咳が出ます。
この咳は、とくに夜に多く、数日は咳の症状を繰り返しますが、通常は1週間ほどで軽快します。

顔面蒼白な状態や意識障害など、重症化するおそれもあります。
→その場合は、すぐに医療機関を受診してください。

夜間や休日に、自分では判断できない場合、国が設けた相談窓口がありますので、相談してみてください。
→専門の医師か看護士が対応してくれます。

小児救急電話相談
♯8000(短縮電話番号)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html

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クループ症候群の原因は?感染はする?

ところで、このクループ症候群、いったい原因は何なのでしょう。

最も多いのは、ウイルスによるものです。

なかでも、パラインフルエンザウイルスが一番多く、原因の75%を占めます。
その他では、アデノウイルス、RSウイルス、インフルエンザ菌、溶連菌などが主な原因です。

特にインフルエンザ菌b型(Hib)を原因とする場合、急性喉頭蓋(こうとうがい)を発症することが多く、重症化する可能性が高くなります。

参考:喉頭蓋(こうとうがい)とは・・・口から入ってくる物が、食物か空気かを見分け、食道と気管に交通整理をしている蓋のような部分。

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クループ症候群は、ウイルスや細菌が原因なので、そのウイルスが人から人へうつることはありますが、その後全員がクループ症候群を発症するわけではありません

例えば、インフルエンザ菌を原因とするクループ症候群の人がいたとします。

インフルエンザはもし仮にうつったとしても(感染力が強いので)、クループ症候群になるかどうかまでは、わからないということです。

クループ症候群の治療方法は?

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では、その治療方法にはどんなものがあるでしょうか。

まず咳を抑えるために、家では加湿が必要です。
水分補給も忘れずに

寝る時は、背中にクッションを置いて、上半身を高くして呼吸を楽にするのもいいです。

とにかく安静にさせれば、軽症の場合は、1週間程度でよくなります。

ただし、急性喉頭蓋になってしまうと、そのほとんどが入院治療、抗生剤で細菌の感染に対処し、腫れにはステロイドホルモンの点滴が必要となります。

クループ症候群は予防できるの?

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重症化しやすいHibには、Hibワクチンという予防接種があります。

ワクチンを打つことで、重篤なHib感染症にかかるリスクを95%以上減らすことができます。

初回は生後2ヶ月以降(7ヶ月まで)の期間に開始し、27~56日の間隔をおいて3回。
追加接種は、初回接種終了後、7ヶ月~13ヶ月後に1回接種します。

詳しくは、厚生労働省のHPに出ていますので、参考にしてください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/hib/

最後に

昨年、1歳の甥がこのクループ症候群になり、2日間入院しました。
点滴治療をし、予後は良好、再発も今のところありません。
風邪かと思っていたら、夜になって容態が急変したそうです。

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子供は、昼間元気だったのに、夜になったら急に症状が出てくることがよくあります。
そういう時のためにも、知識として入れておくのもいいと思います。

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