子供の成長は親にとって大変大きな喜びですが、時には成長に伴い心配な点も出てくるものです。
その一つにチック症があるのではないでしょうか。
このチック症は子供のストレスが原因なのでしょうか?
親子関係とも関わりがあるのでしょうか?
もしかしたら、勝手な先入観で、この症状がある子供を見ているかもしれません。
今回は、『チック症』を正しく理解するために色々と調べました。
チック症とは?どんな症状があるの?
乳幼児期から学童期の心身の成長や、発達の過程では多くの子供がこの症状を発するようで、その数は10人に1人と言われています。
また、多くの子供は一過性・発達性チック症と言われますが、中には重症型の慢性チック症(トゥレット症候群)を発症する子供もあり、その数は1万人に4人から5人となっています。
チック症は、主に2つの特徴的症状に分けられます。
- 運動性チック
―瞬きをする、首を振る、首を回す、顔をしかめる、口すぼめ、肩をすぼめる、肩上げ、手を振る、飛び跳ねる、足踏みをする、スキップをする、体をねじる、体をそらすなど。 - 発声チック
―咳払い、鼻をならす、叫ぶ、うなる、ため息をつく、単語を連発するなど。
―汚言を繰り返す。
症状が始まるのは、3歳から4歳の幼児期で、ピークは7歳から8歳の学童期とされています。
また、男児に多いのも特徴で、男女の比率は3対1となっています。
チック症状が酷い場合は、日常生活に支障を来たすようになり、首の動きが止まらず食事や歯磨きなどがスムーズに出来なかったり、手の動きが持続し、文字が書けなかったりする為に、学習面にも影響が出てきます。
関連記事)【保存版】チックの症状!運動・音声・経過の徹底まとめ!
チックはストレス?原因は?
原因は明らかにされていないようですが、ドーパミン系神経の過活動仮説が提唱されているようです。
子供の脳はまだ発達段階にあり、一時的にバランスを崩し、神経伝達に何らかの不具合が生じているとされています。
また、遺伝的要因も関与しているようです。
関連記事)【まとめ】チック・トゥレット症候群の原因!しつけ?遺伝?
以前は、チック症は親との関係が重要視されていましたが、現在においては否定されています。
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クセとはちがう?親が出来ることは?
頻繁に瞬きをしたり、首をかしげたりするのは子供に良く見られるクセですが、以下の様な場合はチェックの可能性があります。
- クセが数ヶ月にわたって続いたり、悪化したりする。
- 一つのクセが止まったと思ったら、違うクセが出てきたりする。
クセとチック症の違いは、自分の意思でやめることが可能かどうかという点です。
クセは、訓練などで止めることが可能ですが、チック症は自分の意思とは関係無く体が勝手に動いてしまうので、自己制御は不可能です。
この様に、お子さんが自分でコントロール出来ないのがチック症ですので、症状が起こったからと、子供を責めたり、叱ったりする事は絶対に避けるべきです。
一番の理解者であるべき親に分かってもらえないのは、子供にとっても大変辛い事だと思います。
大切なのは、その点に注目するより他の事に自信を持たせて、何か夢中になれる事や好きな事を伸ばしてあげることです。
チック症の子供は、その症状が故に何かと消極的になりがちで自信もなくしがちですので、お子さんの長所に目を向けて、親として温かい態度と愛情で子供と接してあげて下さいね。
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最後に
チック症は、親のしつけと関係あると誤解されている方もまだ多いようですが、ここで述べて来た様に、そのようなことはありません。
お子さんへのチック症の治療では、遊戯療法、薬物療法などが行われますが、親御さんへのカウンセリングもありますので、子供を正しくサポート出来る為にも、まずは、正しい知識を持たれることが大切だと思います。
ご自分を責めたりされずに、お子さんに十分な理解を示し、特別に意識せずに優しく見守ってあげて下さい。