夏と言えば虫の季節。苦手なママも多いかもしれませんが、小さい子は虫が大好き。
そんな中でも比較的かわいい(!?) アゲハの幼虫を飼育してみませんか? チョウの幼虫は、小3の理科の単元としても登場します。うちの息子はアゲハを飼っているので、チョウの単元は「習うまでもない」と余裕でした!
飼育しやすいアゲハは夏休みの自由研究にもぴったりです。
アゲハの幼虫の飼育の仕方とお世話のポイントをご紹介します。
☆この記事の目次☆
アゲハを飼おう
アゲハの幼虫はどこにいる?
よく見かける黄色いアゲハ。実は2種類います。
一つはミカン科の植物を食べて育つ「ナミアゲハ」。一番よく見かけるアゲハです。
もう一つはセリ科の植物を食べて育つ「キアゲハ」。少し黄色みが強いアゲハですが、飛んでいる姿はナミアゲハとそう変わりません。
ナミアゲハはミカン、ユズ、サンショウなどのミカン科の植物にいます。
キアゲハはセリ、ニンジン、パセリ、アシタバなどセリ科の植物にいます。
自宅にミカン科の鉢植えや、自宅菜園でニンジンやパセリを育てていると見つけやすいです。
アゲハが飼育しやすい理由
アゲハは身近な昆虫です。エサも特別なものではありません。
飼育箱を清潔にし、エサさえ入れておけば幼虫は育ちます。温度や湿度の管理は必要ありません。
卵からサナギまで1か月、成虫になるまでを入れても1カ月半ほどなので、夏休みの間に観察が可能です。
飼育にいるもの
- 飼育箱
- キッチンペーパー
- ティッシュ
- ラップ
- 輪ゴム
飼育箱は高さがあるものが望ましいです。
飼育箱の下にキッチンペーパー(チラシでもOK)を敷き、食草の切り取った部分を水にぬらしたティッシュで包み、ラップで包んでゴムで縛ります。この方法が一番衛生的です。
水差しにそのまま食草を挿すと、幼虫が落ちて溺死します。またフンがたくさん落ちるので不衛生になりやすいです。
お世話の仕方
できるだけエサは毎日取り換えてあげます。
幼虫はたくさんフンをするので、フンは毎日きれいにしてあげましょう。
そのままにしておくとカビが発生し、幼虫が病気になります。
アゲハの幼虫を観察しましょう
1~4齢幼虫
卵から出てきたばかりの1齢幼虫から4齢幼虫までは、鳥のフンに見える姿をしています。脱皮するたび少しずつ大きくなります。
脱皮前は食欲がなくなり、動かなくなります。脱皮前の4齢幼虫は、緑っぽくなっていきます。
5齢幼虫
おなじみの緑色の幼虫です。5齢幼虫はすぐにはらぺこになり、モリモリ食べ、フンもたくさんします。
あおむしになって5日から6日くらいでサナギになる準備を始めます。
前蛹(ぜんよう)
サナギになる前、幼虫はおなかの中の不要なものを全部出します。大量の下痢便をしたらサナギになる合図です。おなかをからっぽにして身軽になったら、サナギになる場所を求めて歩き始めます。
アゲハの幼虫は自分がいた植物でサナギになることはあまりありません。寄生虫に狙われる危険性があるので、かなり遠くまでサナギになる場所を探しに行きます。
さんざん歩き回って「ここにしよう」と思った場所で糸を張り、体をひっかけて前蛹になります。
この姿の時に衝撃を与えると死んでしまうので、前蛹になったらできるだけそっとしてあげましょう。
飼育箱の変なところでサナギになられたら困る、という場合は歩き回る子を割り箸と一緒に違う箱の中に入れておきます。幼虫は暗い場所の方が落ち着きます。
時々中を確認し、もう歩き回らず、割り箸につかまっているならOK、おとなしく箱にはりついているようなら、そっと外して、割り箸に乗せてあげましょう。
夜の間に前蛹になるので、寝る前にもう一度確認しましょう。割り箸につかまっているようなら、そのまま割り箸でサナギになります。
こんな子もいる
- 歩き回らないで、さっきまで食べていたエサの枝につかまったまま前蛹になる
- 前蛹になることを拒否して、一晩中歩き続け、箱の下で体が縮こまって身動きできなくなる
- 糸かけ失敗で宙ぶらりんになる
なんらかの衝撃で糸から外れた子は、紙で作ったサナギポケットに入れたり、セロテープで固定します。蝶はサナギの上の部分から出てくるので、下半身を固定しましょう。
サナギ
前蛹になって約24時間で、幼虫はサナギに変身します。
サナギの期間は個体差がありますが8日から15日前後。
羽化は早朝に起こります。羽化する前にサナギが透き通り、中が確認できます。
寄生虫が出てくることもある
野生のアゲハは寄生されやすいです。
大きくなって寄生ハチに刺されたら跡が残りますが、小さいうちに刺されたら跡が残りません。
また、食草と一緒に寄生ハエの卵を食べてしまうこともあります。ハエの卵は肉眼では見えないほど小さいので、確認ができません。
幼虫時代は寄生されているかどうかはわかりません。
サナギの様子がおかしかったら、隔離しましょう。
最後に
どれも同じに見えるアゲハですが、一匹ずつに不思議とドラマが生まれます。野生のアゲハは200個の卵のうち1匹か2匹しか大人になれません。
成虫を飼うのは難しいので、無事羽化したら外に放してあげましょう。
育てきると達成感を味わえますよ。
by 武藤はづき