子供の身長を伸ばすのに大切なのは、栄養・運動・睡眠だと言われています。
バランスの良い食事を心掛け、それを3食しっかりと食べる。
外で思いっきり遊ぶなど、適度な運動も必要です。
そして、夜は十分に睡眠をとること。
基本的なことに思えますが、身長を伸ばすためにはこの3つがとても重要になってきます。
ですが、子供の成長には個人差も大きく、ゆっくり身長が伸びる子もいれば、早めに伸びてそのあとあまり伸びない子など、発育のスピードもそれぞれです。
「うちの子、小さいんじゃないかな…。」
と身長の伸びを心配していても、そのうち伸びる伸びる!と周りに言われ、何もしないでいてやっぱり伸びなかった、なんてこともあります。
いくら栄養・運動・睡眠を心掛けていても、伸びないこともあります。
子供の低身長の原因には何があるのか、治療の必要はあるのか、などお話ししていきたいと思います。
子供の低身長の原因(治療の必要なし)
①体質的原因
両親の身長が低いなどの遺伝的なものや、もともとの体質的なことが原因となっています。
親から子供への身長の遺伝確率は2~3割と、それほど高いものではありませんが、一緒に暮らしていると同じものを食べ、同じような時間に寝起きするなど、食習慣や生活習慣が似通ってきてしまいます。
それが子供の身長の伸びに影響することもあるようなので、成長期までの子供にはきっちりとした生活習慣を身に着けさせたいですね。
ちなみに、両親の身長から子供の身長を予測できる計算式がありますので、一度やってみてくださいね。
女の子=(父親の身長+母親の身長-13)÷2+2
②栄養不良
栄養不良だけでは極端な低身長にはならないようですが、食生活の見直し、改善が必要となってきます。
特にたんぱく質が不足していると、身長の伸びに影響してくるようです。
③心理的原因
「愛情遮断性低身長症」という症状があります。
精神的影響やストレスなどで、身長が伸びないことがあります。
影響を与えているのが親の場合、一定期間距離をあけることで、正常に成長ホルモンが分泌されて身長が伸びることがあるそうです。
④思春期が早く来る、遅く来る
思春期が早く来てしまうと、身長の伸びは止まってしまうことが多いです。
逆に遅く来てしまうと、高校生になってから伸び始めるといったケースもあるようです。
では、思春期とはいつのことを指すのか?
思春期=成長期と考えてください。
だいたい女の子の場合10~12歳、男の子で12~15歳が平均だと言われています。
思春期には身長を伸ばす働きかけをする成長ホルモンの分泌が多くなります。
そのため、この時期の栄養・運動・睡眠はとても重要になります。
また成長ホルモンの分泌を助けるサプリメントなどもありますので、栄養や睡眠を十分にとっているのに身長の伸びが悪い場合などに利用してみてもいいですね。
子供の低身長の原因(治療の必要あり)
①成長ホルモンや甲状腺ホルモンの病気が原因
成長ホルモン分泌不全性低身長症や甲状腺機能低下症などの病気が原因になります。
【成長ホルモン分泌性低身長症】
脳下垂体がなんらかの障害をうけて(出産時の仮死状態や事故による脳の損傷など)、成長ホルモンの分泌が少なくなるか分泌されなくなります。
治療をしないで放っておくと、身長が130cmに満たない場合もあります。
成長ホルモン不足には注射によって補ってあげるという治療が有効になります。
【甲状腺機能低下症】
甲状腺ホルモンの分泌が不足した時に、身長の伸びが悪くなってしまうことがあります。
一過性のものや永続性のもの、軽症から重症まで症状はさまざまですが、新生児マススクリーニング検査で異常が認められれば、精密検査をおこなうことになります。
甲状腺ホルモンは、身長の伸びに影響するだけでなく、知的発達にも影響しますので、早めの治療が必要になります。
1日1回薬の内服などで甲状腺ホルモン不足を補う治療がなされます。
②染色体の病気が原因
ターナー症候群やプラダ―・ウィリー症候群などの病気が原因になります。
【ターナー症候群】
2000人に1人ぐらいの割合で発症する、女の子の染色体の病気です。
卵巣が発達せずに、女性ホルモンが不足します。
140cmに満たない低身長で、初潮が来なかったりします。
治療としては、成長ホルモンや女性ホルモンの投与が有効だということです。
【プラダ―・ウィリー症候群】
1万人に1人くらいの割合でみられる15番染色体の変異による病気です。
低身長だけではなく、肥満や発達障害などの症例もあるようです。
成長ホルモン投与などの治療がおこなわれます。
③骨や軟骨の病気が原因
軟骨異栄養症という病気が原因になります。
骨や軟骨の異常のため、身長が伸びません。
手足が短いなど、体のバランスに特徴がみられ、130cmに満たない場合もあります。
成長ホルモン投与治療や、整形外科で骨延長術などをおこないます。
④子宮内発育不全が原因
正期産で生まれても、おなかのなかで発育が遅れたりとまったりして身長体重が小さい赤ちゃんや、早産などで小さく生まれた赤ちゃんに低身長がみられます。
小さく産んで大きく育てる、とよく言います。
小さく生まれても3歳までには身長が伸びることがほとんどですが、なかなか標準枠に入ってこなかったり、後々まで追いつかない、ということもあります。
身長の伸びが悪い場合、成長ホルモン治療をおこなうこともあります。
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我が家の三男の場合
うちの三男は双子で生まれましたが、次男が2600gあったのに対し、三男は1400gの極低出生体重児でした。
そのため、この月齢や年齢ではこの範囲内に9割の子どもが入りますよ、という成長曲線を今も下回っています。
うちの三男の場合は、子宮内発育不全に加えて、検査の結果で軽症ではありますが、甲状腺機能低下症がみられたため、1歳になるまえから、毎日チラーヂンSという薬の内服をおこなっています。
それに加えて、2~3ヶ月に1回の発達健診があります。
身長体重の計測と、血液検査で甲状腺ホルモンにかかわる数値をみてもらっています。
今のところ身長だけで、知能的に問題はありません。
小さいなりに身長は伸びていますので、薬の量も徐々に減ってきています。
この治療、主治医の先生には3歳が目安となるといわれています。
3歳になっても標準枠内に入ってこない場合、成長ホルモン投与の治療を始めましょうと言われています。
男の子なので、少しでも身長は伸びてほしいなという希望もあり、治療は受けるつもりでいますが、成長ホルモン治療と言うのは正直お金がかかります。
小児慢性特定疾患医療費を受給することができれば、高額な治療費をカバーしてもらうことはできますが、その認定もなかなか厳しいものがあるようです。
経済的な理由で、成長ホルモン治療を諦めた、という話はネットのあちこちで見られます。
この治療は、1ヶ月2ヶ月で終了するようなものではなく長期戦になるので、私も主人も悩んでいるところではあります。
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まとめ
低身長には治療の必要のないものと、治療の必要なものがあります。
治療が必要なものはなるべく早く治療を始めたほうが効果は出やすいです。
治療が必要なものは、栄養・運動・睡眠を十分にとったりしていても、身長の伸びが悪くなります。
検査でわかることがほとんどですので、医療機関や学校で指摘を受けたり、もしかして…と思うことがあれば、早めの受診をおすすめします。
まずは相談、という形でもいいと思いますよ。
by meeco