大人の場合、便秘は自分でわかりますが、子供の場合・・・
「そういえば、ここ数日うんち出てないんじゃない?」
と気付き、ハッとすることありませんか?
幼児は便を出すのが上手ではありませんので、少し気張って出ないことが続くと、便を出すことを諦めてしまいます。
それが続くと、どうなるか・・・
たかが便秘と侮るなかれ!
便秘で熱が出たり、嘔吐することもあり、重症化すると薬さえも効きにくくなります。
今回はそんな子供の便秘について・・・
息子が重度の便秘になり、小児科を受診した経緯、そしてその後どうなったのか
体験を元に、
- 病院受診の目安
- 便秘の定義
- 重症化した便秘
- 治療法
などをお話ししたいと思います。
子供の便秘で悩まれている方のお力になれれば幸いです。
息子の便秘体験談
息子は頻繁に便秘になり、ついに一週間出ず。
そして、お腹を触ると固くなっているのがわかりました。
そのため、さすがにこれはおかしいと思い小児科を受診しました。
小児科での診断
レントゲンを撮影して、カチカチの便が栓をしていることがわかりました。
重度の便秘と診断されました。
便の栓を取らないと薬を飲んでも意味がありませんので、摘便(指を肛門に入れて便を掻き出す)を行なってもらい、栓を取り除きました。
その後の便秘の治療
その後は、寝る前に、ラキソベロンという薬を服用しています。
そして、2日便が出なければ、医療用の浣腸を自宅でするように指導されました。
実際に浣腸を行なったのは数回です。
受診から1ヶ月くらい経過した時点では、ラキソベロンという薬のみで、便はほぼ毎日出ていますが、それでも、まだ毎日服用しています。
小児科の先生から「1年くらいの期間でじっくり治していく必要がある」と言われました。
実際、ここまでなるのは、重症化した便秘です。
排便回数チェック表の実際の記録
子供の落書きなどでちょっと見えにくいですが(汗)、下はその時に病院から渡された記録用紙の一部です。
- 便の性状
- 回数
- 出血の有無
- ラキソベロンの滴下数
- 排便の回数
を毎日記録します。
最初の方は、ラキソベロンの滴下数が大人並みに多く、また浣腸も行なっていました。
2ヶ月経過した頃には、徐々にラキソベロンの滴下数も減り、浣腸をすることはなくなりました。
その後の経過
最初の小児科受診から、半年以上が経過しましたが、今もラキソベロンを内服しています。
最初は1日20滴という大人よりも多い量を使っていましたが、今では、5滴程度でほぼ毎日便が出ています。
便秘は本当に長期戦です。
もうすぐ1年になります。
息子は3歳になりました。
2滴ほどで済んでいますが、今もラキソベロンが手放せない状態です。
一度、ラキソベロンの後発薬(ジェネリック薬品)であるピコスルファートを処方されたことがあるのですが、便が硬くなっていまい、再び便秘傾向に・・・。
その後、ラキソベロンに戻してもらい、柔らかくなりました。
ジェネリック恐るべしですね。
息子は4歳になりました。(もうすぐ5歳です)
ここ1年〜半年ほどは、ラキソベロンに頼らず、便が出るようになりました( ◠‿◠ )。
相変わらず息子の便には気を遣いますが以前ほどではなくなりました。
もちろん今後も油断はできませんが、やっと少し肩の荷が下りた感じです。
毎日息子の排便の記録をつけていました。(今でもつけています)
ラキソベロンがいらなくなってからは、日にちと回数だけを下のように同じ紙に敷き詰めるようにメモしていました(^◇^;)。
スペースがなくなったので、最近新しい紙にしました。
ちなみに受診したのはこちらの病院です→大阪で小児の便秘外来なら、大阪市立大学附属病院小児外科!
(いろいろ調べて便秘外来をやっている「大学病院」を受診したため、最初の診察のときは、数時間待たされました・・・・汗)
では、次に
- どれくらい便が出ないと病院を受診するべきか?
- そもそも便秘はどういう状態なのか?
- 便秘の治療にはどのようなものがあるのか?
など便秘について詳しく見ていきましょう。
何日出ないと病院を受診する?
5日〜1週間便が出なければ、小児科を受診をしましょう。
そこで浣腸をしてもらって、以後出るようになればいいですが、浣腸でも、硬い栓が取りきれる保証はありません。
それを知る方法は、レントゲンです。
レントゲンを撮れば、便秘の状態がある程度わかります。
とくに、カチカチの便は、レントゲンで白く映るので、よく見えるのです。
浣腸してもらって(自分で浣腸して)も、再びすぐに便秘になるようならば、硬い栓が直腸にある可能性があります。
だとすると、レントゲンのない病院やクリニックでは、便の本当の状態はわからないということです。
浣腸をしてもらって一時的に便が出ても、根本的な解決にはなっていないかもしれません。
しかし、繰り返す便秘は「便秘症」「慢性便秘症」であると、親が病気の意識を持って、レントゲンのある施設の受診も考慮しましょう。
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そもそも便秘の定義は?
- 便の回数が、週に3回より少ない
- 5日以上出ない
- 排便時に痛がって泣く
- 排便時、肛門が切れて出血する
こんな場合は便秘です。
また、出ても小さなコロコロした便しか出ない場合も疑いがあります。
そして、医師による治療を要する便秘を「便秘症」といいます。
さらに、その便秘症が1〜2ヶ月以上続いた場合、「慢性便秘症」といいます。
病気だ病気だと騒ぎ立てる必要は一切ありませんが、「まあ、そのうち出るよ」と楽観的にいるべきでもありません。
便は溜まるとどこにいくの?
食欲も落ちていないし、むしろいつもより食べているかもしれない。
おやつもパクパク食べているが、便は出ない・・・。
そうなると、便はどこにいったの?
なくなった?
腸から吸収された?
食べる割に出ない時には、本当に不思議になりますよね。
便は確実に腸管に溜まっています。
人はモノを食べると、食べたモノは、
食道→胃→小腸→大腸→肛門
へと分解・吸収をしながら進みます。
肛門から出て来ないということは、この途中に、便が溜まっているはずです。
一般的に、便は大腸に溜まります。
大腸は水分を吸収する機能がありますので、便の水分をどんどん吸収していきます。
水分を失った便は体積が小さくなり、より固くなっていきます。
便が出ないと、どんどん便は硬くなっていき、最終的には石のように固くなってしまうのです。
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カチカチの便には薬が効きにくい!?病院での治療は?
病院での便秘治療として、便を取り出すことが第一です。
- 綿棒刺激
- 腹部マッサージ
- 薬の服用
- 浣腸
- 摘便
という方法があります。
綿棒をお尻の穴に挿入し、刺激して出てくれば、まだ便秘症状としては軽い方です。
便秘薬にはさまざまな種類がありますが、便がカチカチに固くなっては、薬も効きにくくなります。
薬が効くのは、あくまで便がまだやわらかいときです。
カチカチの便が直腸(肛門の手前)で、栓をしている状態では、いくら薬を飲んでも効果がないこともあります。
便秘の最終手段は、浣腸です。
それも薬局に売っているような、「イチジク浣腸」ではなく、医療用の管の長い浣腸を使います。
ただし、それでも出ないときがあります。
すると後は、摘便するしかありません。
お尻に指を突っ込んで、便を取ってくるのです。
これは普通の人はなかなかできないので、一般に医師が行ないます。
参考サイト:小児慢性機能性便秘診療ガイドライン作成委員会
最後に
便秘はありふれた現象で、つい「そのうち出るだろう」と思いがちです。
よく言われるように予防として、普段から繊維の多い食物を与えることも大事です。
ただ、カチカチの便が栓をしてしまった状態では、
- 繊維の多い食物
- 便秘のお薬
は効かないことがあることを知り、それは「便秘症」という立派な病気ですので、場合によっては病院を受診する必要があることを知っておきましょう。
by kudi