喘息は命に関わる病気であり、特に喘息発作には要注意です。
ただし、発作がおさまれば、通院しなくていいわけではありません。根本的には治っていないからです。

そんな喘息を根本的に治療していく薬を、長期管理薬やコントローラーといいます。

その中心が、吸入ステロイドです。ステロイドと聞くと副作用は大丈夫なの?と思われる方も多いかもしれません。今回はこの吸入ステロイドの副作用と、ステロイドがなぜ効果的なのかについてまとめました。


小児喘息の吸入ステロイドの副作用は?

吸入」ステロイドの場合、全身的なものはほとんど心配がなく、妊婦が喘息の場合、妊娠中でも使っても安全であると言われています。

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ただし、のどや口の中に幾つか副作用が報告されています。

具体的には、喉の違和感や痛み、味覚が変化したり、舌が白くなるという副作用は報告されています。

ですので、吸入ステロイドを使ったあとは、必ずうがいや水を飲むなどして薬剤を洗い流すことが重要です。

ステロイドと聞くと副作用が心配になりますが、吸入ステロイドの場合は、経口や点滴などのステロイドとは異なるということですね。

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そもそもどうしてステロイドが効くのか?

c5394bbfa1546e49f2b6af289046d588_sこの吸入ステロイドの登場により、コントロールがよくなり、発作頻度が減少して、入院が必要となる重篤な小児が減りました。

なぜこんなにステロイドが効くのでしょうか?吸入ステロイドには以下の特徴があると言われています。

  • 優れた局所の炎症を抑える効果がある。=不可逆的な慢性化を予防する作用あり。
  • 数日から2週間くらいで症状も、呼吸機能も改善する効果がある。
  • 発作を起こりにくくする効果がある。
  • 窒息死を減少させる効果がある。

このような優れた点があるため、好んで喘息の長期管理薬として吸入ステロイドは使われています。

気管支拡張薬なども使われることもありますが、あくまで脇役ですね。吸入ステロイドありきで使われます。

小児に使われる吸入ステロイド薬とは?

  • パルミコート®吸入液(ネブライザーが必要:5歳くらいまで)
  • パルミコート・タービュヘイラー(吸える子供に!ドライパウダー製剤)
  • フルタイド®ディスカス(吸える子供に!ドライパウダー製剤)
  • キュバール®(押すタイプ)
  • フルタイド®エアー(押すタイプ)

が主な治療薬です。どのタイプがよいかは、ケースバイケースです。乳児には吸うのは無理ですので、基本的にネブライザーを用いた薬が一般的です。

各製剤の保証噴霧回数は以下のとおりです。

  • フルタイド100エアー:60回
  • フルタイド50エアー:120回
  • キュバール:100回
  • オルベスコ200:56回
  • オルベスコ100,50:112回
  • パルミコート200,100:112回
  • パルミコート200 :56回

ステロイドと気管支拡張薬の合剤もある!

現在では、吸入ステロイド薬と長時間作動型吸入β2刺激薬を配合した薬も出てきており、1剤で2つの効果が期待できます。

ただし、このような合剤はあくまでステロイド単独で治療効果がない場合に初めて試すというのが一般的です。

いきなり強力な薬を使うのはよくないということです。

最後に

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今回は喘息で使われる吸入ステロイドの副作用とその対策、またどうして吸入ステロイドが喘息に効くのかについてまとめました。

「吸入」ステロイドの場合、長期に服用しても副作用は極めて少ないということです。ステロイドと聞いて恐る必要はありません。

by kudi

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