お月見どろぼうというイベントをご存知ですか?
十五夜に行われるイベントで、 昔から日本にある風習なんですよ。
どのようなイベントなのか 詳しくご紹介しますね。
お月見泥棒とは?
十五夜に飾られているお月見のお供え物を、この日だけ盗ってもいいとされているとイベントです。
各地で行われるお月見イベントなのです。
子供たちは月の使者と考えられていて竿のように細長い棒の先に針等をつけ、お団子を盗んだりします。
現在ではどのようなことをするの?
”お団子をくださーい”
”お月見泥棒でーす”
と、各家庭を回りお菓子などをもらう風習が残っています。
こう聞くと、ハロウィンの ”お菓子をくれなきゃイタズラするぞ” と、少し似ている部分がありますね。
和製ハロウィンとも言われているそうです。
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そもそもお月見とはいつ?
お月見は、旧暦でいう8月15日に月を鑑賞する行事のことを言います。
また、この日の月は 『中秋の月』『十五夜』『芋名月』と、呼ばれています。
日本は9月13日にも 月を鑑賞する風習があります。
こちらは、 『十三夜』『後の月』『栗名月』と、呼ばれています。
ですが、現在では旧暦と太陽暦とのシステム違うので毎年お月見の日は変わります。
最近の月見の日を少しご紹介しときます。
年 | 中秋の名月(旧8月15日) | 後の月(旧9月13日) |
2016年 | 9月15日 | 10月13日 |
2017年 | 10月4日 | 11月1日 |
2018年 | 9月24日 | 10月21日 |
2019年 | 9月13日 | 10月11日 |
2020年 | 10月1日 | 10月29日 |
現在もお月見どろぼうの風習が残る地域
福島県や茨城県、千葉県や東京の多摩地区山梨県、愛知県、三重県や奈良県などの一部で行われているところがあります。
漁村ではあまり見られず、山間部の村や、農村だった村だった地域に多く残っているそうです。
団子の飾り方
十五夜には、十五にちなんで 15個お供えします。
15を簡略化して5個の場合もあります。
十三夜には、13個お供えします。
こちらも、簡略化して3個の場合もあります。
また、一年の満月の月の数を表して 12個の場合もあります。
それぞれの数の飾り方
15個の場合
1段目9個(3×3)
2段目4個(2×2)
3段目2個
神事では、正面から見て縦に2個
仏事では、横に2個
に並べると言われています。
13個の場合
1段目9個(3×3)
2段目4個(2×2)
12個の場合
1段目9個(3×3)
2段目3個
5個の場合
1段目4個(2×2)
2段目1個
どんなものに飾ればいいの?
正式には三方に白い紙を敷いてお供えすると、されています。
ですが、現代の家庭では 三方がある家庭が少ないので、御盆や、お皿にお供えすればOKです。
普段使うお皿より少し特別なお皿だとより雰囲気が出るのでいいのではないでしょうか。
最後に
お月見は昔から続く日本の良き風習の一つです。
いつも食べるお団子も綺麗な満月を見ながら頂くと、より美味しく感じるのではないでしょうか。
皆さんもこれを機に、お家でお月見どろうぼうを家族みんなでやってみてください。
お月見をより一層楽しんでくださいね。
むうこより。
弟の小さき歩み急がせて蛍追いきし草露の道
子供の頃は,家の近くの用水路にも蛍が飛び交っていました。この夏は一度だけ, 山間の畦道で蛍が飛んでいるのを見ました。
さて,それから約二か月半。今年は,9月19日(木)が十五夜だそうです。名月を観賞するのは中国伝来の平安貴族の風習だそうで,庶民は,それ以前から,満月を豊かな稔りを象徴するものとして敬い,月光には神霊が宿ると信じてきたそうです。今でも我が家では,三方に十五夜にちなんで15個の団子をのせ,月との縁を強めるとされる蔓のある葡萄などを飾り,稲穂に見立てたススキを生けます。
子供の頃,十五夜の日に学校から帰ると,男の子はみんな四寸釘の先を金槌で叩き潰し,それを長い棒の先に縛り付けて槍を作りました。お月見泥棒の準備です。小さな弟にはそれができなかったので,祖父が作ってやっていたのを覚えています。辺りが暗くなると,手に手に槍を持った近所の子供たちが集まって来ます。子供は月からの使いと考えられていて,特にこの日に限っては,家々の縁先に飾られた団子を槍で突いて盗んでもよいのです。近所の家々でもお月見泥棒が来るのを待っていて,その中に小さな子供がいたりすると,突きやすい縁先にそっと三方を移動してくださったりしました。それから長い年月が過ぎましたが,今でも人々の優しさや,秋の夜の「泥棒」ごっこの楽しさを鮮明に覚えています。何百年もの歴史と,素朴な月への信仰,地域の人々子供を見守るこうした習慣や文化が,この数十年の間に消えてしまったことがとても寂しい気がします。
弟の団子ふっくり掌(たなごころ)雲より出でて十五夜の月