現在、溶連菌感染症が大流行しています。
子供を育てるまで、溶連菌感染はあまり耳にしたことがなくどのような病気なのか気になったので調べてみたところ、治療が遅れると怖い病気だということがわかりました。
今回は、溶連菌感染がなぜ怖いのかをお話ししたいと思います。
溶連菌感染が怖い理由とは?
医師からは抗生物質は必ず飲みきるように言われます。
一般的なウイルスによる風邪の場合、症状が治れば、処方された薬は飲むのを止めますよね。ところが、溶連菌の場合、なぜ抗生物質を飲みきるように言われるのでしょうか?
まだ体内に残った細菌が毒素を作りだし、その毒素が体中のあちこちに炎症を起こして怖い合併症を引き起こすからです。
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溶連菌感染の合併症とは?
①リウマチ熱:肩、肘、膝、足首など関節が炎症を起こし、39度以上の高熱が続きます。
②心臓弁膜症:毒素はまた心筋、弁膜にも炎症をおこして心機能の低下をもたらします。
③急性糸球体腎炎:腎臓の糸球体という部分に炎症をおこして血尿、むくみ、高血圧などの症状があらわれます。一度発症すると、完治するまでに3年はかかるといわれています。
④ショック症状:毒素によりショック症状がおこり、血圧が急激に低下します。
関連記事)子供の溶連菌の症状は?
そもそも溶連菌とは?
A群溶血性レンサ球菌という細菌が感染して、発熱、咳嗽、鼻汁、咽頭痛、嚥下困難などのかぜ様症状を引き起こします。
昔は命を落とす病気と恐れられて隔離されていたこともあるようです。
- のどの痛み
- 発疹(舌にも湿疹ができ、イチゴのようになる場合もある)
- 発熱など
溶連菌の診断と治療は?
溶連菌関連を疑う場合、病院を受診すると綿棒で、のどの粘膜を少しこすり、簡易キットを使用して医師が診断します。5分以内で診断が可能です。
溶連菌が陽性と診断されると、ペニシリン(薬剤名はサワシリンなど)という抗生物質が処方されて7日から10日服用し続けることになります。
この服用しきるという点が大事なんですね。
服用し終えた後は、症状が治っていれば原則治療終了ですが、厳密には、尿検査を実施し陰性であれば治療終了となります。
どのような症状のときに溶連菌を疑うの?
症状だけだと、抗生物質を必要としないウイルスと区別がつきにくいですが、どのような症状がある時に医師は溶連菌を疑うのかを調べてみました。
Centor Criteria(センターの診断基準)
- 熱がある。
- 咳がない。
- 触ると痛みを伴う前頸部リンパ節の腫れがある。
- 扁桃腺に白苔がある。(口を開けて診察すると、扁桃腺に白い苔のようなものがついています。)
この4項目のうち、該当するものが多いほど、ウイルスではなく、溶連菌感染の可能性がより高く、簡易キットによる検査の対象になるようです。
簡易キットによる検査を行わなくても、該当するものが多ければ、溶連菌感染と診断して、抗生物質が処方されることも多いようです。
この診断基準はあくまで医師が診察の上で行うものであり、ご家庭では目安にはなりますが、自己判断はしないようにしましょうね。
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最後に
今回は溶連菌感染の治療を中途半端に行ってしまうと、命の危険をもおびやかす合併症を生じうるということについてお話ししました。
このような怖い合併症をおこさないようにするためには、必ず自己診断はしないで医師の指示通りに治療を行い完治させることが大切だと感じました。
症状が普通のウイルスによる風邪と非常に似ているため、普通の風邪と判断して「放っておけば治るだろう」と思ってしまいがちですが、頭の片隅に、合併症が怖い溶連菌感染の可能性を入れておきましょう。
by bellj375