あいつ、学校に来ても寝てばっかりやけん。
早く寝ればいいのに、遅れてきたり、学校に来ても寝てたり・・・サボりやん!

何なに?
どうしてそんなこと言い出したの?

学校に、そんな子がいるって話!
絶対ズルやん。

ちょっと待って!
どうしてズルって言い切れるの?
それ、ちがうんじゃない?
ちゃんと聞いて理解しましょ。

「朝、学校に来られないのはサボり?」
「体育の後に休んでるのはズルい?」
「寝てばかりいるのはどうして?」

それ・・・、起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)かもしれません。

この病気のこと、ちゃんと知っていますか?
これは本人のせいじゃない心と体のバランスの病気なんです。

この記事では、あなたのクラスメイトがどうして朝つらそうなのか、どうやって支えられるのか、わかりやすくお話しします。

ズルだと決めつける前に、知ってほしい、起立性調節障害について

  • どんな病気なのか?
  • 症状
  • クラスメイトにできること
  • してはいけないこと
  • 解説動画

という順でお伝えします。

起立性調節障害ってどんな病気?

何?
起立性調節障害って?
起立性調節障害という病気について説明するわね。

読み方は、起立性調節障害→きりつせいちょうせつしょうがい

自律神経のバランスが崩れる病気で、10歳〜16歳前後の学生に起こりやすく、体が大きく変化する時期に発症しやすいといわれています。

これは誰でもなる可能性のある病気で、実際小学生の約5%、中学生の約10%にいるとされています。

人間の体は「自律神経(じりつしんけい)」という仕組みで、体温・血圧・心臓の動き(脈)などを自動でコントロールしています。

でも、起立性調節障害になると、朝に血圧がうまく上がらなかったり、立ち上がったときにクラクラしたりしてしまうんです。

● よくある症状はこんな感じ

  • 朝、体がだるくて起きられない
  • 立ちくらみやめまいがする
  • 胸がドキドキする
  • 食欲がわかない
  • 眠たくないのに寝てしまう
  • 失神(気を失う)
  • 顔色が悪くなる
  • つかれやすい
  • 頭痛
  • 入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる
  • 午後になると少し元気になる

これって「サボり」や「なまけ」と思われがちだけど、体の仕組みの問題で、自分でコントロールできないんです。

クラスメイトとしてできること

オレが言ってたことって・・・、もしかしてイジメになるようなことだった?
悪気なく、見たまま、思ったままを言っていたかもしれないけど・・・
起立性調節障害で苦しんでいる子にしたら、その子が悪いわけでもズルでもないんだから、あまりいい気持ちはしなかったかもしれないわね。
え?
オレ、そんなつもりなかったんだけど・・・。
そうだね。
今からでも、クラスメイトとして、友達としてできることはたくさんあるわよ。

「おはよう」「おかえり」「大丈夫?」と声をかける
 午後から来たときや久しぶりに登校できたときに、さりげなく声をかけてくれるだけで、すごく嬉しいものです。

グループ活動のときにフォローする
 もし体調が悪くて途中で休んだりしても、「大丈夫だよ」「ここまでやってくれてありがとう」って言ってくれると安心します。

ノートや授業の内容をシェアする
 休んだ日や保健室にいた時間の授業を、あとで見せてくれると本当に助かります。

理解しようとする気持ちを忘れない
 「この子は戦ってるんだ」と思えるだけで、見方が大きく変わります。

「また休み?いいなー」
「サボってるんじゃないの?」
「寝てばっかり〜。」
なんて言葉は、本人をすごく傷つけます。

病気と戦っている友達を、傷つけないであげてください。

逆に、してはいけないこと、言ってはいけないことも念のため伝えるわね。

● してはいけないこと・言ってはいけないこと

「ズルい」「ずっと休んでていいな」
 休みたくて休んでるわけじゃありません。
本人は「学校に行けない自分」を責めていることもあります。

「また休んでるの?」「サボり?」
 何気なく言った一言が、本人の心にグサッと刺さることがあります。

無理に誘ったり、責めたりすること
「体育やらないの?」
「なんで文化祭こないの?」
「なんで寝るの?」
と詰めるのはNG。
本人ができる範囲でがんばっています。

陰口・からかい・無視
 つらいときに、居場所がなくなるのは一番つらい。
仲間はずれにせず、あたたかい目で見てほしいです。
「オレも起立性調節障害だから居眠りしよ〜。」
なんてバカにするような発言は、しないようにしましょう。

今まで心の中でバカにしていたかもしれない。
自分がもし、起立性調節障害になったらと考えたら、怖くなった。

そうだよね。
特別なことはしなくていいの。
理解してくれる友達がいるってだけで、その子はきっと救われるわよ。

おすすめの説明動画

📺 【中高生向け】起立性調節障害の説明動画です。

わかりやすく説明してくれていて、中学生でも理解しやすい内容になっています!

オレ、何ができるかわからないけど、理解はできる!

ママもそれを聞いて安心したわ。

まとめ:その「サボり」に見えること、実は戦ってる証拠かもしれない

起立性調節障害は、体の中で起こるコントロールの病気で、怠けではありません。
朝つらそうな友達も、体育のあとに休んでる子も、ちゃんと病気と毎日戦ってる仲間です。

あなたのちょっとした理解とやさしさが、クラスの雰囲気を大きく変える力になります。
どうか、「ズル」や「怠け」と決めつけず、一緒に支えるクラスになってください。

起立性調節障害の子にとって、「わかってくれるクラスメイトがいる」ことが心の支えになります。

大きなことはしなくてもいい。
ちょっとした気づかい、ちょっとした一言が、すごく大きな力になります。

ズルじゃない。
怠けてない。
がんばってる友達のそばに、あなたの優しさを置いてください。

必要なら、保健室の先生や担任の先生も、この病気について教えてくれますよ!

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