
子供の発熱の原因のほとんどは、いわゆる風邪によるものです。
でも中には命に関わる病気が原因となっていることもあります。その代表が髄膜炎です。
今回はどんなときに髄膜炎を疑い、医療機関を受診するべきなのかについてまとめました。
・熱に加えて「ぐったり・顔色が悪い・何かいつもと違う」は受診のサイン
・乳児は首の硬さなど典型的な症状が出にくく、大泉門の膨らみ・けいれん・不機嫌などが手がかりになる
・ヒブ(5種混合)と小児の肺炎球菌ワクチンは定期接種で、細菌性髄膜炎を防ぐために大切
髄膜炎を疑うのは見た目!
子供が熱を出すと、「いつもの風邪か」と思うことが大半だと思います。
ところが、「あれ?何かいつもと様子が違う!」思えば要注意です。
実際医療機関を受診した後も、医師は、この見た目をまず重視します。
本来子供は元気なもので、機嫌が悪ければ泣いてアピールします。そのアピールさえも弱々しければ、黄色信号です。

- ぐったりしている。
- 顔色が不良である。
- 弱々しく泣く。
- 周りに興味を示さない。
- 不機嫌である。
- 視線が合わない。
- 呼吸に異常がある。
特にぐったりしているというのが、何より重要です。
また顔色が不良であるということも非常に重要な見た目であり、これは、体の血液の循環が悪いことを意味します。同時に手足の先が冷たくなっていないかをチェックしましょう。
そして、細菌性髄膜炎の特徴は、進み方が早いということです。
すぐに適切な治療を受けないと命に関わることがあるとされています(出典: 東京都感染症マニュアル)。熱が出て間もないのに、こんなにぐったりしている!と思ったら、早めに受診することが大切です。
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髄膜炎を疑ったら次に確認すること!
髄膜炎には教科書などで昔から言われている三徴があります。
- 発熱
- 項部硬直
- 意識障害
でも子どもでは、この3つが全部揃わないことも多いのです。あれば怪しいと思わなければならないですが、ないから大丈夫なんてことはないわけですね。
東京都の感染症マニュアルでは、細菌性髄膜炎の3大徴候を発熱・頭痛・嘔吐としたうえで、年齢などによって症状はさまざまだとしています。
さらに、項部硬直(頸が硬くなる)などの症状は、新生児や乳児でははっきりしないことが多いとされているので注意が必要です。
乳児では、けいれん、大泉門(頭のてっぺんのやわらかい所)の膨らみ、ちょっとした刺激でも泣いて不機嫌になるといった症状が多いとされます。
そして、嘔吐も見逃したくない大事なサインです。
ですので、3徴にはあまりこだわらず、
- 熱が出て、ぐったりしている。顔色が悪い。
- しかも、熱が出て間もないのに様子がおかしい。
- 嘔吐がある、頸が硬い(項部硬直がある)、意識障害やけいれんがある。
- 大泉門が膨れている。
こんな時には、要注意!医療機関を受診しましょう。
髄膜炎をデータからチェック。
髄膜炎にはウイルス感染によるウイルス性髄膜炎(無菌性髄膜炎)と、細菌感染による細菌性髄膜炎があります。そして、以下のようなデータがあります。
- ウイルス性髄膜炎はエンテロウイルス(夏かぜの原因になるウイルスの仲間)によるものが最も多く、夏から秋にかけて流行する。
- 細菌性髄膜炎の原因になる肺炎球菌の病気は、0歳児で特に起こりやすい。
もちろんこれに当てはまらないから、髄膜炎ではないと考えるという意味では全くありません。傾向を知っておくことで、より髄膜炎を疑うべきです。
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最後に

髄膜炎は命に関わる病気の一つです。ヒブワクチン(2008年12月より任意接種開始)や肺炎球菌ワクチン(2010年2月より任意接種開始)を受けるのはこの髄膜炎を防ぐためです。どちらも2013年4月から定期接種になり、生後2か月から受けられます。ヒブは2024年4月からは主に「5種混合ワクチン」で、小児の肺炎球菌は2024年10月からは原則「20価ワクチン」で接種します。
そしてこのワクチンが広まり、小児の細菌性髄膜炎の数は大幅に減っています。厚生労働省によると、5歳未満のインフルエンザ菌(ヒブなど)による髄膜炎は、定期接種化の前後で人口10万人あたり7.7から0.0に減りました(出典: 厚生労働省「5種混合ワクチン」)。
そのため、子供の発熱に毎回過度に心配する必要はありませんが、いつもと違う、なんかおかしいと思ったら、今回書いた点をチェックしてください。
特にワクチンを接種していない場合は、注意が必要です。
そして、髄膜炎の可能性があると思えば、治療が遅れたということにならないために、すぐに医療機関を受診しましょう。気になるときは、迷わず小児科に相談を。夜間や休日に受診するか迷ったときは、こども医療電話相談(#8000)も使えます。
よくある疑問(Q&A)
Q. ワクチンを受けていれば髄膜炎にはなりませんか?
A. ヒブや肺炎球菌による細菌性髄膜炎は大きく減りましたが、ほかの細菌やウイルスによる髄膜炎もあります。ワクチンを受けていても、ぐったりしている・様子がおかしいときは受診しましょう。
Q. ワクチンはいつから受けられますか?
A. 5種混合ワクチン、小児の肺炎球菌ワクチンとも、生後2か月から受けられます。細かいスケジュールは母子健康手帳や自治体、かかりつけの小児科で確認を。
by kudi