学校の課題やコンクールで「詩を書く」と言われても、中学生にとっては何から始めればよいか分かりにくいものです。この記事では、テーマの見つけ方から書き出しのコツ、使いやすい表現技法、短い例文までを、順番にまとめました。
・詩のテーマの見つけ方と、五感を使ったメモの取り方
・書き出しの型と、中学生が使いやすい表現技法
・短い例文と、書いたあとの見直しポイント
中学生の詩は「感じたこと」に「工夫」を足す
小学生の詩は、感じたままを素直に書くだけでも立派な詩になります(くわしくは小学生の詩の書き方|夏休みの宿題のテーマ例・書き出し・短い例文と声かけのコツで紹介しています)。中学生になると、それに加えて「どう書けば自分の気持ちがもっと伝わるか」を考える段階に入ります。難しく考えず、次の3つの手順で進めてみましょう。
手順1:テーマの見つけ方
詩のテーマは、特別なものでなくて大丈夫です。中学生が選びやすいのは次のような題材です。
| 分類 | テーマの例 |
|---|---|
| 学校生活 | 部活、テスト前の夜、通学路、放課後の教室、給食 |
| 人間関係 | 友達とのけんか、親との会話、きょうだい、ひとりの時間 |
| 季節・自然 | 夕立、雪、桜、セミ、帰り道の空 |
| 気持ち | 不安、緊張、うれしさ、もやもや、成長 |
テーマに迷ったら、「最近、心が少し動いた場面」を3つ書き出してみてください。その中で、いちばん映像が浮かぶ場面を選ぶと、言葉が出てきやすくなります。
手順2:五感でメモを取る
決めたテーマについて、いきなり詩にせず、まずメモを作ります。
- 見えたもの(色、形、光)
- 聞こえた音
- におい、手ざわり、味
- そのとき心の中で思ったこと
メモの言葉は、あとで詩の材料になります。「うれしかった」「悲しかった」とそのまま書くよりも、「ふるえる手」「きしむ椅子の音」のように、その気持ちが出た場面を書くと、読む人に伝わりやすくなります。
手順3:書き出しとまとめ方のコツ
書き出しの型
- 音から:「カン、カン、カン」と部活の音から始める
- 問いかけから:「なぜ ぼくは 立ち止まったのだろう」
- 情景から:「夕焼けが 校舎を 染めている」
- 気持ちから:「胸の奥が ざわざわする」
中学生が使いやすい表現技法
- 比喩(たとえ):「○○のような」「○○みたいな」で、気持ちを別のものに置きかえる。
- 擬人法:風や月に人の動きや気持ちを持たせる。
- 反復:同じ言葉をくり返してリズムと強調を出す。
- 体言止め:行の終わりを名詞で止めて、余韻を残す。
- 行分け・連:言葉のかたまりごとに改行し、まとまりごとに空白の行を入れる。
全部を使う必要はありません。1つか2つで十分です。使いすぎると、かえって気持ちが見えにくくなります。
短い例文
以下は、書き方のイメージのための例です。そのまま写さず、ご自身の言葉に置きかえるヒントにしてください。
「帰り道」
部活の帰り道
空が 少しずつ 暗くなる
自転車の ライトが
小さな 月みたいに ゆれていた
今日の ミスは
まだ 胸に 引っかかったまま
それでも ペダルを 踏む
明日へ つづく 道を
「テスト前の夜」
時計の 音だけが
やけに 大きい
消しゴムの かすが
小さな 雪のように つもる
あと 一ページ
あと 一ページ
ぼくの 夜は まだ 終わらない
どちらも、場面を1つに絞り、たとえ(月、雪)と反復を1つずつ使っています。
書いたあとの見直しポイント
- 声に出して読み、リズムが悪い箇所を直す。
- 「楽しかった」「悲しかった」などの説明だけの行を、場面の言葉に変えられないか考える。
- 題名を最後に決める。内容を言いすぎない題名のほうが、余韻が出ます。
- 同じ意味の行を削り、短くまとめる。
学校の宿題やコンクールに出す場合は、字数や行数、テーマの指定を先に確認しましょう。
書けないときの対処法
最初の一行が出てこないときは、完成させようとせず、思いついた言葉を紙に並べるだけにしてみましょう。「ことば集め」を10個ほど書いたら、その中から響きのよいものを選び、順番を入れかえるだけでも、詩の形に近づきます。ほかの人の作品をまねる必要はありません。気持ちが動いた瞬間を、短い言葉で切り取ることを意識すると、自分らしい詩になります。
よくある疑問(Q&A)
Q. 詩にルールはありますか?
A. 決まった形はありません。まず「テーマを1つに絞る」ことを意識すると、まとまりやすくなります。
Q. 何行くらい書けばよいですか?
A. 課題の指定がなければ、8〜15行くらいを目安にすると書きやすいです。指定があれば、それに合わせてください。
Q. 親はどう手伝えますか?
A. 書いてあげるのではなく、「そのとき何が見えた?」「どんな音がした?」と問いかけるのがおすすめです。