こどもは大人と違い抵抗力が弱く、大人だと弾き飛ばせるウイルスに感染して、さまざまな感性症の症状を引き起こします。

また、インフルエンザ脳症や髄膜炎など重症化することがあるのも、こどもです。

大人にとってたかがウイルスですが、こどもにとってはされどウイルスなのです。

今回は、どの季節にどのようなウイルスが流行しやすく、またそれらはどんな症状を起こすのかを、季節ごとにまとめました敵を知れば、今こどもが何にかかっている可能性が高いのかわかります病院受診のヒントにもなります


主要ウイルスの季節的流行パターンはこれ!

秋に流行するウイルスは?

秋は夏が終わり、涼しくなり感染症にかかりやすくなります。実際小児科を受診する子供も増えてくる時期です。

ここで流行るのがライノウイルスによる感染症です。ライノウイルスはいわゆる風邪を引き起こします。普段よく見る風邪はこのライノウイルスが原因であることが多いのです。

また9-10月というのは台風がくる季節です。台風が来て気圧が下がっているところにライノウイルスに感染すると、喘息持ちの子供の発作の引き金になります。

同じように喘息発作が起こりやすいのは、台風の時期、それからもう一つ梅雨の時期です。

ライノウイルス→いわゆる風邪、また喘息発作の引き金になる。

autumn

冬に流行するウイルスは?

winter1

冬になると、RSウイルスの流行が始まり、ケンケンカンカン、ゼーゼーヒューヒューと咳をする小さな子供が増えてきます。RSウイルスは細気管支炎や肺炎を引き起こします。

参考)RSウイルスの記事のまとめ(症状、予防、治療、入院など)

一般的にRSウイルスが流行っているときには、ウイルスの干渉現象というのが起こり、インフルエンザは抑えられると言われます。不思議なことに、RSウイルスとインフルエンザウイルスが同時に流行ることはありません

RSウイルスの流行が終わった頃に、インフルエンザウイルスが猛威をふるいます。インフルエンザウイルスは乾燥と寒さが大好きで、ご存知のように冬に流行します。

インフルエンザウイルスはA型から始まり春先には、B型が流行します。

virus1

これだけではありません。それらとほぼ時を同じくして流行するのが、ロタウイルスによる乳児嘔吐下痢症です。ロタウイルスは白色便性下痢症といって白い下痢が出るのが特徴で有名ですね。

ロタウイルスは非常に有名ですが、乳児嘔吐下痢症を起こすのは、ロタウイルスのほかにもう一つ重要なウイルスがあります。

それが、小型球形ウイルス(small round structured virus)と呼ばれるウイルスで、こちらの方が早く流行します。

  1. 小型球形ウイルスによる乳児嘔吐下痢症:12月
  2. ロタウイルスによる乳児嘔吐下痢症:1月〜4月

という流行の時期に若干のずれがあります。

冬はこれら4つのウイルスによる感染の巣となり、子供たちにとって冬は大変な季節となります。

  • RSウイルス→細気管支炎、肺炎
  • インフルエンザウイルス→インフルエンザ症状、時に重症化すると脳症や髄膜炎
  • 小型球形ウイルス→乳児嘔吐下痢症
  • ロタウイルス→乳児嘔吐下痢症

春に流行するウイルスは?

spring

春になり、桜が咲いてくるとどうなるでしょうか?

実は上に示したように、ロタウイルスによる乳児嘔吐下痢症はまだ春になっても続きます

また秋に流行していたライノウイルスによるいわゆる風邪が流行します。

そして梅雨がくると、パラインフルエンザ3というウイルスが原因となり、喘息発作や、喘息性気管支炎が流行します。

  • ロタウイルス→乳児嘔吐下痢症
  • ライノウイルス→いわゆる風邪
  • パラインルフエンザ3→喘息発作、喘息性気管支炎

夏に流行するウイルスは?

summer

梅雨が明けて、夏がきます。夏といえばプールです。

すると、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、アデノウイルス3といった夏のウイルスが出てきます。

ご存知のように、プール熱、咽頭結膜炎、手足口病が流行します。

  • コクサッキーウイルス、エコーウイルス→ヘルパンギーナ(咽頭炎)、無菌性髄膜炎、発疹(手足口病)
  • アデノウイルス3→プール熱(咽頭結膜熱)

[adsense]

まとめ

virus2

今回は季節別の流行するウイルスおよびその症状についてまとめました。

季節により流行するウイルスは異なります。こどものゼーゼーがいつもより強いけど、風邪かなと思っていると喘息発作のこともあります。その場合は急いで治療が必要になることがあります。

そのためには敵を知っておくことが重要です。ぜひこどもに症状が出た時に参考にしてください。

by kudi

関連記事はこちら